相続した不動産の固定資産税はどうなる?名義変更・納税義務の完全解説

親や配偶者が亡くなり、実家や土地などの不動産を相続した場合、真っ先に気になるのが「固定資産税はどうなるのか」ということではないでしょうか。「誰が払うのか」「いつから払うのか」「名義が変わっていなくても払わなければならないのか」といった疑問を持たれる方は非常に多くいらっしゃいます。

特に相続登記が完了していない状態での固定資産税の取り扱いについては、誤解が多く、放置してしまうと延滞金や過料のリスクにつながることもあります。

この記事では、相続した不動産の固定資産税について、納税義務者・名義変更の手続き・相続登記との関係・特例・よくあるトラブルなど、必要な情報を体系的に解説します。空き家相続のリスクや軽減措置の活用方法についても詳しく触れています。

この記事でわかること:

  • 相続した不動産の固定資産税は誰がいつから払うのか
  • 相続登記が未了でも納税義務はあるか
  • 固定資産税の名義変更手続きの流れ
  • 空き家相続で税額が上がる「特定空き家」問題
  • 住宅用地の軽減措置と小規模宅地等の特例
  • 相続放棄した場合の固定資産税の取り扱い
目次

固定資産税とは?基本のしくみをおさらい

固定資産税の定義と課税のしくみ

固定資産税とは、土地・建物・償却資産(事業用の機械・設備など)を所有している人に対して、毎年課税される地方税です。地方税法第343条に基づき、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている人に課税されます。

課税の主体は市区町村(東京23区内は東京都)で、税率は原則として固定資産税評価額の1.4%です(地方税法第350条)。ただし、住宅用地には軽減措置があり、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は評価額の6分の1、一般住宅用地(200㎡超の部分)は評価額の3分の1を課税標準とする特例が設けられています。

固定資産税の評価額(固定資産税評価額)は、国土交通省が定める「固定資産評価基準」に基づき各市区町村が算定します。一般的に、土地は路線価方式または比準方式で算定され、建物は再建築価格を基準に経年減点補正率を乗じた方法で算定されます。売買価格とは異なり、固定資産税評価額は一般的に時価の70%程度とされることが多いです。

固定資産税は毎年4月〜6月ごろに納税通知書が届き、年4回(4月・7月・12月・翌2月)に分けて支払う方法と、一括支払いを選べる自治体もあります。支払い方法は口座振替・コンビニ払い・クレジットカード払い・Pay払い(自治体による)など多様化しています。

固定資産税と都市計画税の違い

固定資産税と一緒に請求されることが多いのが「都市計画税」です。両者の違いを整理しておきましょう。

項目 固定資産税 都市計画税
根拠法 地方税法第342条〜 地方税法第702条〜
課税主体 市区町村(23区は東京都) 市区町村(都市計画区域内)
税率 1.4%(原則) 0.3%以下(市区町村が条例で設定)
課税対象 土地・建物・償却資産 市街化区域内の土地・建物のみ
軽減措置 住宅用地の特例あり 住宅用地の特例あり(固定資産税より少ない)

都市計画税は市街化区域内の不動産に課せられ、固定資産税と合わせて納税通知書に記載されていることが多いです。相続した不動産が市街化区域内にある場合は、固定資産税と都市計画税の両方の支払い義務があります。

相続した不動産の固定資産税は誰が払う?

1月1日時点の所有者が納税義務者

固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている人です(地方税法第343条第1項)。これが相続における固定資産税の最も重要なルールです。

具体的には、以下のようなケースが考えられます。

死亡時期 その年の固定資産税の納税義務者
1月2日以降に死亡 故人(被相続人)が納税義務者となるが、相続人が義務を引き継ぐ
1月1日に死亡 故人が1月1日時点の所有者のため、故人に課税(相続人が引き継ぐ)

つまり、たとえば1月2日以降に亡くなった場合でも、その年の固定資産税は「1月1日時点の所有者」である故人に課税されます。ただし、当然ながら故人は支払えないため、相続人がその納税義務を引き継ぎます。

相続が発生した年の固定資産税は、まだ相続登記が完了していなくても、相続人が支払わなければなりません。未払いのまま放置すると延滞金が発生するため、納税通知書が届いたら速やかに対応することが重要です。

相続登記が未了の場合の納税義務

相続登記が完了していない場合でも、固定資産税の納税義務は相続人に帰属します。登記の有無と固定資産税の納税義務は、法的には別の問題です。

この場合、市区町村は「現所有者申告制度」を活用しています。地方税法第384条の3に基づき、登記名義が変わっていなくても、市区町村に「相続人代表者指定届」を提出することで、相続人の一人が代表として納税通知書を受け取ることができます。

相続登記が未了でも固定資産税を放置していると延滞金が発生します。まずは市区町村に「相続人代表者指定届」を提出して納税通知書を受け取れるようにするのが先決です。

なお、相続人が複数いる場合、固定資産税の納税義務は相続人全員が連帯して負います。代表者が支払った場合は、他の相続人に対して持分割合に応じた求償(費用の分担請求)ができますが、これは相続人間の内部的な問題であり、市区町村との関係では代表者が支払う形が一般的です。

相続人が複数いる場合の対応

遺産分割が完了していない段階では、不動産は相続人全員の「共有財産」となります。この状態では固定資産税も相続人全員が連帯して納税義務を負います。

実務上は、相続人の一人(多くは不動産を実際に管理・使用している人)が代表で支払うケースが多いですが、遺産分割協議が長引く場合は費用負担をめぐるトラブルに発展することもあります。

遺産分割が長引いている場合でも、固定資産税の支払いを止めることはできません。未払いのまま放置すると延滞金が積み重なり、最終的に差押えに至る可能性もあります。早めに相続人間で話し合いの場を設けるか、弁護士に相談されることをお勧めします。

固定資産税の名義変更(相続登記)の手続き

相続登記とは何か

不動産の「名義変更」とは、法務局(登記所)の登記簿に記録されている所有者の名前を、故人から相続人に書き換える手続きのことを指します。正式には「相続による所有権移転登記」といい、一般的に「相続登記」と呼ばれています。

2024年4月1日施行の法改正により、相続登記は相続を知った日から3年以内に行うことが義務化されました(改正不動産登記法第76条の2)。正当な理由なく3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。

固定資産税の課税名義は登記と連動しているため、相続登記を完了させることで初めて固定資産税の納税通知書が新しい所有者(相続人)宛に届くようになります。

また、2024年4月の法改正では「相続人申告登記」という新制度も創設されました。これは、本格的な相続登記が難しい場合に、相続人が申告するだけで登記義務を暫定的に履行できる制度です。費用・手間を抑えながら義務を果たせるため、活用を検討する価値があります。

相続登記の手続きの流れ

相続登記の手続きは以下の流れで進めます。

  1. 遺産分割協議:相続人全員で誰が不動産を取得するかを決める(遺産分割協議書の作成が必要)
  2. 必要書類の収集:戸籍謄本一式・住民票・固定資産税評価証明書など
  3. 登記申請書の作成:法務局の書式または司法書士に依頼
  4. 法務局へ申請:管轄法務局(不動産所在地)へ提出
  5. 登記完了・登記事項証明書の取得:完了後に新しい所有者名義で証明書を取得可能

相続登記に必要な書類は複数にわたり、特に戸籍謄本の収集には時間がかかることがあります。被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要なため、早めに取り寄せを始めることをお勧めします。

相続登記に必要な書類と費用

相続登記に必要な主な書類と費用の目安は以下のとおりです。

書類 取得先 費用目安
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで) 本籍地の市区町村 450円〜/通
被相続人の住民票(除票) 住所地の市区町村 200〜400円
相続人全員の現在の戸籍謄本 各本籍地の市区町村 450円〜/通
相続人全員の住民票 各住所地の市区町村 200〜400円
固定資産税評価証明書 不動産所在地の市区町村 300〜400円程度
遺産分割協議書 相続人間で作成 行政書士等依頼の場合3〜8万円程度
印鑑証明書(相続人全員分) 各市区町村 200〜300円

書類の取得費用のほかに、登録免許税(法務局に支払う税金)がかかります。相続による所有権移転登記の場合、登録免許税は「固定資産税評価額 × 0.4%」です(登録免許税法別表第一)。たとえば固定資産税評価額が2,000万円の不動産であれば、登録免許税は8万円程度になります。

司法書士に相続登記を依頼する場合は、司法書士報酬として5万〜15万円程度(物件数・複雑さによる)が別途必要です。書類収集から申請まで一括して依頼できるため、手間を省きたい方には専門家への依頼を検討されることをお勧めします。

固定資産税の名義変更の手続き方法(市区町村への届出)

相続人代表者指定届の提出

相続登記が完了するまでの間、固定資産税の納税通知書の送付先を明確にするため、市区町村税務課(固定資産税担当)に「相続人代表者指定届」を提出することをお勧めします。

この届出を提出することで、相続人の代表者が固定資産税の通知を受け取ることができ、期限内の納税が可能になります。届出書の書式は各市区町村のホームページからダウンロードできることが多いです。

提出に必要な書類の目安は以下のとおりです。

  • 相続人代表者指定届(市区町村指定の書式)
  • 被相続人との関係を証明する書類(戸籍謄本等)
  • 相続人代表者の本人確認書類

なお、相続人代表者指定届の提出は「固定資産税の名義変更」とは異なります。固定資産税の課税名義は登記に連動しているため、正式な名義変更は相続登記の完了後に法務局から市区町村へ情報が連携されることで行われます。

相続登記完了後の固定資産税の流れ

相続登記が完了すると、法務局から市区町村へ登記情報が通知されます。これにより、翌年度以降の固定資産税の納税通知書は新しい所有者(相続人)宛に送られるようになります。

ただし、登記情報が反映されるタイミングは自治体によって異なります。相続登記が年度途中に完了した場合、当年度の納税通知書はまだ旧名義人(被相続人)宛になっていることがあります。この場合でも、相続人が支払う義務があることに変わりはありません。

登記完了後に税務課へ直接連絡して名義変更の反映を確認することで、翌年度以降の手続きがよりスムーズになります。

空き家相続と固定資産税の注意点

住宅用地の特例が適用されなくなるリスク

相続した実家が空き家になるケースは非常に多く、固定資産税の観点から大きな注意が必要です。

住宅用地には固定資産税の軽減特例があり、200㎡以下の小規模住宅用地では固定資産税の課税標準が評価額の6分の1に、200㎡超の部分は3分の1に軽減されています。この特例が適用されている間は、土地の固定資産税を大幅に抑えることができます。

しかし、「特定空き家」に指定されると、この住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が最大4〜6倍程度に増額される可能性があります。

「特定空き家」とは、2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、市区町村が「倒壊等の危険性が高い」「衛生上有害な状態にある」「景観を著しく損なっている」などの基準により指定する空き家のことです。指定される前に市区町村から勧告が行われることが多いため、勧告を受けたら速やかに対応することが重要です。

空き家の固定資産税を抑えるための対策

空き家を相続した場合に固定資産税を抑えるための選択肢として、以下のものが考えられます。

  • 売却:固定資産税の負担がなくなる。「空き家の3,000万円特別控除」の適用を検討(一定の要件を満たす被相続人の居住用財産の譲渡が対象)
  • 賃貸として活用:住宅用地の特例が継続適用される。収益も得られる
  • 解体して更地にする:建物の固定資産税はなくなるが、土地の住宅用地特例が外れるため土地の税額は増える場合がある
  • リフォームして活用:住居として利用を再開することで特例継続。費用とのバランスを検討

「空き家の3,000万円特別控除」は一定の要件を満たす場合に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。相続から3年が経過した年の12月31日までの売却に適用される場合があります(国税庁「No.3306」参照)。活用できるかどうか税理士に確認されることをお勧めします。

小規模宅地等の特例と固定資産税の関係

小規模宅地等の特例とは

「小規模宅地等の特例」とは、相続した土地の相続税評価額を一定の割合で減額できる制度です(租税特別措置法第69条の4)。固定資産税ではなく「相続税の計算」に関わる特例である点に注意が必要です。

主な種類と軽減割合は以下のとおりです。

種類 適用条件(概要) 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等 故人が住んでいた土地を配偶者または同居親族等が相続 330㎡ 80%減額
特定事業用宅地等 故人が事業に使っていた土地を事業継承者が相続 400㎡ 80%減額
貸付事業用宅地等 故人が賃貸していた土地を相続 200㎡ 50%減額

たとえば、評価額5,000万円の土地に「特定居住用宅地等」の特例が適用されると、相続税の計算上は1,000万円として評価されます(80%減額)。この特例の有無によって相続税額が大きく変わるため、専門家(税理士)への相談が不可欠です。

なお、この特例は相続税申告時に適用するもので、固定資産税の税額自体は変わりません。あくまでも相続税の軽減措置です。

固定資産税評価額と相続税評価額の違い

固定資産税と相続税では、不動産の「評価額」の算定方法が異なります。混同されることが多いため整理しておきます。

評価方法 目的 算定基準 時価との関係
固定資産税評価額 固定資産税・都市計画税の計算 固定資産評価基準(3年ごとに見直し) 時価の約70%程度
相続税評価額(路線価方式) 相続税・贈与税の計算 路線価(国税庁が公表) 時価の約80%程度
相続税評価額(倍率方式) 路線価のない地域での相続税計算 固定資産税評価額 × 倍率 地域による

固定資産税の計算に使う評価額と、相続税の計算に使う評価額は別のものです。「固定資産税評価額で相続税が計算される」というのは誤解で、原則として路線価(または倍率方式)を用います。ただし、路線価がない地域では固定資産税評価額に国税局が定める倍率を乗じた方法が用いられます。

相続放棄した場合の固定資産税

相続放棄後の固定資産税の取り扱い

相続放棄をした場合でも、固定資産税の問題がすべて消えるわけではありません。相続放棄の申述が家庭裁判所で受理されると、その相続人は「はじめから相続人でなかった」とみなされます(民法第939条)。

しかし、民法第940条(2023年4月改正後は第940条・第945条〜)では、相続放棄した者も相続財産管理人が選任されるまでの間、財産を保存する義務があるとされています。土地・建物が放置されて荒廃した場合の責任問題も含め、相続放棄後の不動産の取り扱いは複雑です。

固定資産税については、相続放棄が受理された後は市区町村に対して「相続放棄申述受理証明書」を提出することで、放棄した相続人が納税義務者でない旨を主張できることがあります。ただし、他の相続人が存在する場合はその相続人に義務が移り、全員が相続放棄した場合は最終的に国庫に帰属するまでの間、相続財産清算人(旧:相続財産管理人)が管理することになります。

相続放棄後に不動産を処分するリスク

相続放棄後に、放棄した相続人が不動産を売却・処分・使用すると「単純承認」(相続を承認したとみなすこと)が適用される場合があります(民法第921条第1号)。相続放棄が無効となり、借金を含むすべての財産・債務を引き継ぐことになりかねません。

相続放棄を検討している場合、不動産の修繕・処分・売却には特に注意が必要です。弁護士に相談のうえ行動することを強くお勧めします。

2023年の民法改正で「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。この制度では、相続(遺贈)により土地を取得した相続人が、一定の要件を満たす場合に、土地を国庫に帰属させることができます(相続土地国庫帰属法)。負動産として持て余している土地の処理方法の一つとして、法務局への相談を検討してみてください。

固定資産税の減額・猶予制度

住宅用地の特例(軽減措置)

前述のとおり、住宅の敷地として使用されている土地には固定資産税の軽減措置があります。

区分 面積要件 軽減率
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 課税標準が評価額の1/6
一般住宅用地 200㎡超の部分 課税標準が評価額の1/3

この特例は、住居として使用されている土地に適用されます。相続後も住居として使い続ける場合や、賃貸住宅として活用する場合は継続して適用されます。

新築住宅の減額措置

相続した建物が新築から一定期間内の場合、建物の固定資産税に減額措置が適用されていることがあります。新築住宅の場合、2〜3年間(認定長期優良住宅は5年間)、建物部分の固定資産税が2分の1に減額される特例があります(地方税法附則第15条の8)。

相続後もこの減額措置は継続されますが、対象期間が終了すれば通常の税額に戻ります。固定資産税納税通知書の明細で現在の課税状況を確認しておくとよいでしょう。

農地の軽減措置

農地(耕作の目的に供されている土地)には、宅地とは別の評価方法が適用されます。農地の固定資産税評価額は宅地に比べて低く設定されており、農地として使用し続ける限り税負担は比較的軽いとされています。ただし、農地を宅地に転用した場合は、宅地としての評価額で課税されるようになります。

相続した農地を農業委員会に届け出ずに放置すると、農地法上の問題が生じる場合もあります。相続した農地の取り扱いは農業委員会にもご相談ください。

よくあるトラブルと対処法

固定資産税の滞納と差押えリスク

固定資産税は地方税のなかでも強制徴収権が強い税目の一つです。納期限を過ぎると延滞金(年率最大14.6%)が発生し、さらに督促状が来ても支払わない場合は不動産の差押えに至ることがあります。

差押えが行われると、不動産の売却・処分が困難になるうえ、公売(強制売却)に至る可能性もあります。相続手続きの混乱のなかで固定資産税の支払いを見落とすケースは少なくないため、注意が必要です。

支払いが難しい場合は、市区町村の税務課に相談することで「分割納付」や「猶予制度」(地方税法第15条)を利用できる場合があります。滞納状態で放置するより、窓口に相談することをお勧めします。

相続人間で固定資産税の負担を巡るトラブル

遺産分割が未了のまま不動産を共有状態にしていると、固定資産税の負担をめぐって相続人間でトラブルが発生することがあります。特に「実際に住んでいる相続人と住んでいない相続人が存在する場合」や「地方の空き家を誰も使っていない場合」は、費用負担に不公平感が生じやすいです。

こうした問題を防ぐためには、できるだけ早期に遺産分割協議を成立させ、不動産の取得者を一人に確定することが根本的な解決策です。話し合いが難しい場合は、弁護士への調停・審判申立も選択肢として考えられます。

固定資産税と相続の専門家への相談

相談すべきケースと専門家の選び方

以下のような状況では、専門家への相談を検討されることをお勧めします。

  • 相続税申告が必要かどうかわからない(税理士へ)
  • 小規模宅地等の特例を活用したい(税理士へ)
  • 相続登記を自分で行うのが難しい(司法書士へ)
  • 相続人間で不動産の取り扱いについてトラブルがある(弁護士へ)
  • 相続放棄後の不動産の管理・処分について知りたい(弁護士へ)
  • 空き家を国庫に帰属させたい(法務局・弁護士へ)
  • 農地を相続した(農業委員会・行政書士へ)

相続税の申告期限は「相続を知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています(相続税法第27条)。期限を過ぎると各種特例が受けられなくなることもあるため、早めの相談が重要です。

相続・税務の専門家費用の目安

専門家 主な業務 費用の目安
税理士 相続税申告・節税対策・小規模宅地特例の検討 遺産総額の0.5〜1%程度(最低10万〜)
司法書士 相続登記・相続放棄申立支援・相続人申告登記 5万〜15万円程度(登録免許税別)
弁護士 相続トラブル解決・遺産分割調停・相続放棄アドバイス 着手金10万〜30万円程度
行政書士 遺産分割協議書作成・各種届出書類作成 5万〜10万円程度

費用はあくまでも目安です。複数の専門家に無料相談を行い、信頼できる方に依頼することをお勧めします。相続税の申告が不要な場合でも、司法書士に相続登記を依頼するだけで、後のトラブルを大きく減らせることがあります。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続した不動産の固定資産税は誰が払いますか?

A. 固定資産税は毎年1月1日時点の「登記簿上の所有者」に課税されます。相続が発生した年の固定資産税は、年初に所有者だった被相続人(故人)に課税されますが、相続人がその義務を引き継ぎます。相続登記が完了していない場合は、相続人全員が連帯して納税義務を負います。

Q. 固定資産税の名義変更はいつまでにすればよいですか?

A. 固定資産税の名義変更(相続登記)は、2024年4月1日から原則3年以内(相続を知った日から)に行うことが義務化されました。正当な理由なく3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。早めに相続登記を進めることをお勧めします。

Q. 相続登記が未了の場合、固定資産税はどうなりますか?

A. 相続登記が未了の場合、固定資産税の納税通知書は引き続き故人宛に送られることがあります。各市区町村では「相続人代表者指定届」を受け付けており、これを提出することで相続人の代表者が納税通知書を受け取ることができます。税金の支払いは登記の有無に関わらず義務がありますので、速やかに手続きを進めてください。

Q. 相続放棄した場合、固定資産税はどうなりますか?

A. 相続放棄した場合でも、相続財産管理人が選任されるまでの間は、相続放棄者が管理義務を負う場合があります(民法第940条)。固定資産税の納税義務が自動的に消えるわけではなく、弁護士や司法書士に相談のうえ対応することをお勧めします。

Q. 空き家になった実家の固定資産税は高くなりますか?

A. 「特定空き家」に指定されると、住宅用地の固定資産税特例(最大6分の1軽減)が適用されなくなり、税額が最大4〜6倍程度に増加する可能性があります。相続した実家を放置することは税務上のリスクが高く、早めの売却・活用・解体を検討されることをお勧めします。

Q. 固定資産税と相続税は別ものですか?

A. はい、まったく別の税金です。固定資産税は毎年不動産を所有していることに対してかかる地方税で、相続とは関係なく継続して課税されます。相続税は相続によって財産を取得した際に一度だけかかる国税です。相続した不動産には、相続税(取得時)と固定資産税(保有中・毎年)の両方がかかる可能性があります。

まとめ

相続した不動産の固定資産税については、以下の要点を押さえておくことが重要です。

  • 固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される(地方税法第343条)
  • 相続が発生した年の固定資産税は、相続人が義務を引き継ぐ
  • 相続登記が未了でも納税義務はある(登記の有無と納税義務は別問題)
  • 相続登記は2024年4月から3年以内が義務(違反すると10万円以下の過料)
  • 相続登記前は市区町村に「相続人代表者指定届」を提出して通知を受け取る
  • 空き家を放置すると「特定空き家」指定で固定資産税が大幅増額のリスクがある
  • 小規模宅地等の特例は固定資産税ではなく相続税の軽減措置である
  • 相続放棄後も不動産の管理義務が残る場合がある
  • 相続税の申告期限は相続を知った日の翌日から10ヶ月以内

固定資産税の問題は、相続手続き全体の一部に過ぎません。不動産を相続した場合は、固定資産税の支払いに加えて、相続税の申告・相続登記・遺産分割など複数の手続きが複合的に絡み合います。

特に相続税の申告が必要かどうかは、遺産総額・法定相続人の数・特例の適用可能性によって変わります。「自分は関係ない」と思っていたケースでも、不動産の評価額によっては申告が必要になることがあります。不安を感じた場合は、まず税理士に相談して申告の要否を確認されることをお勧めします。

複雑な相続手続きを一人で進めようとすると、見落としや手続きの遅れが生じやすくなります。専門家の力を借りながら、着実に手続きを進めていただければと思います。


※本記事は2025年3月時点の情報に基づいています。税法・不動産登記法等の法令は改正される場合があります。手続きの際は最新情報を国税庁・法務局・市区町村または専門家にご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法律アドバイスではありません。具体的な判断については税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。参考情報源:国税庁「相続税」、法務局「不動産登記」、地方税法、民法

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