公正証書遺言を作成したいけれど、「費用がいくらかかるのか分からない」「公証役場の手数料だけで済むのか」と不安を感じていませんか。
公正証書遺言の作成には、公証人手数料・証人費用・必要書類の取得費用がかかり、さらに弁護士に依頼する場合は別途報酬が発生します。
遺産総額が5,000万円の場合、公証役場での基本手数料は約5万円前後ですが、証人手配や書類準備を含めると総額10万円を超えることも珍しくありません。
自筆証書遺言と比較して費用はかかりますが、公正証書遺言は法的効力が高く、家庭裁判所の検認が不要というメリットがあります。
この記事では、公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳を詳しく解説し、費用を抑えるコツや弁護士に依頼するメリットまで網羅的にお伝えします。
遺言作成に不安がある方は、相続に強い弁護士に相談することで、法的に確実な遺言を残すことができるでしょう。
公正証書遺言とは?自筆証書遺言との違い
公正証書遺言とは、公証人が作成する遺言書のことで、法務大臣が任命した公証人が関与するため法的信頼性が非常に高い遺言形式です。
遺言者が公証役場で口述した内容を公証人が文書にまとめ、証人2名の立会いのもとで作成されます。
自筆証書遺言は全文を自分で手書きする必要がありますが、公正証書遺言は公証人が代筆するため、字が書けない方や高齢で筆記が困難な方でも作成可能です。
自筆証書遺言とどちらが良いのでしょうか?費用がかかっても公正証書遺言を選ぶメリットはありますか?
公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要で、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんの心配がありません。確実性を重視するなら公正証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言には、自筆証書遺言にはない多くのメリットがあります。
まず、家庭裁判所での検認手続きが不要なため、相続開始後すぐに遺言内容を執行できます。
自筆証書遺言の場合、相続人全員に通知して検認を受ける必要があり、数週間から数ヶ月かかることもあります。
原本が公証役場で半永久的に保管されるため、紛失や破棄、改ざんのリスクがありません。
また、公証人が内容の適法性をチェックするため、形式不備や内容の曖昧さによる無効リスクが極めて低い点も大きなメリットです。
公正証書遺言の主なメリット
- 家庭裁判所の検認手続きが不要
- 原本が公証役場で保管され紛失・改ざんの心配なし
- 公証人が内容をチェックするため無効リスクが低い
- 字が書けなくても作成可能
- 相続開始後、すぐに遺言執行できる
公正証書遺言のデメリット
一方で、公正証書遺言にはデメリットもあります。
最も大きいのは作成に費用がかかる点で、公証人手数料や証人費用が必要になります。
自筆証書遺言であれば紙とペンがあれば無料で作成できますが、公正証書遺言は最低でも数万円の費用が発生します。
また、証人2名の立会いが必須なため、遺言内容を完全に秘密にすることはできません。
証人には守秘義務がありますが、家族や親族に知られたくない内容がある場合は、専門家を証人として選ぶ必要があるでしょう。
さらに、公証役場での手続きには戸籍謄本や登記事項証明書などの書類準備が必要で、取得に時間と費用がかかります。
公正証書遺言の注意点
- 公証人手数料・証人費用などの作成費用が必要
- 証人2名に内容を知られる
- 必要書類の取得に手間と費用がかかる
- 公証役場に出向く必要がある(出張も可能だが別途費用)
公正証書遺言の作成にかかる費用の全体像
公正証書遺言の作成費用は、大きく分けて公証人手数料・証人費用・必要書類取得費用の3つに分類されます。
弁護士や司法書士に依頼する場合は、これらに加えて専門家報酬が発生します。
総額は遺産総額や依頼する専門家によって大きく異なるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
一般的に、遺産総額が3,000万円〜5,000万円程度の場合、公証役場での基本費用は5万円〜8万円程度になるでしょう。
ここに証人費用(1〜2万円)と書類取得費(数千円)が加わるため、自分で準備する場合でも総額7万円〜10万円程度が目安となります。
弁護士に依頼する場合は、さらに10万円〜30万円程度の報酬が加算される可能性があります。
費用の全体像(遺産5,000万円の場合の目安)
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 公証人手数料 | 4万円〜7万円 |
| 証人費用 | 1万円〜2万円 |
| 必要書類取得費 | 3,000円〜5,000円 |
| 弁護士報酬(依頼時) | 10万円〜30万円 |
| 合計(自分で準備) | 7万円〜10万円 |
| 合計(弁護士依頼) | 17万円〜40万円 |
遺産額が多いと費用も高くなるのでしょうか?どのように計算されるのか知りたいです。
公証人手数料は「公証人手数料令」という法律で定められており、遺産額に応じて段階的に高くなります。次の章で詳しく解説します。
公証人手数料の詳細と計算方法
公正証書遺言の作成で最も大きな費用となるのが公証人手数料です。
この手数料は「公証人手数料令」という政令で全国統一の基準が定められており、公証役場によって金額が変わることはありません。
手数料は相続財産の総額ではなく、各相続人が受け取る財産額ごとに計算されます。
たとえば、妻に3,000万円、長男に2,000万円を相続させる場合、それぞれの金額に対応する手数料を合算して算出します。
さらに、遺言加算として11,000円が追加され、正本・謄本の交付手数料も別途必要になります。
公証人手数料令に基づく基本手数料表
公証人手数料は、目的財産の価額に応じて以下のように定められています。
公証人手数料令別表(抜粋)
| 目的財産の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 100万円まで | 5,000円 |
| 200万円まで | 7,000円 |
| 500万円まで | 11,000円 |
| 1,000万円まで | 17,000円 |
| 3,000万円まで | 23,000円 |
| 5,000万円まで | 29,000円 |
| 1億円まで | 43,000円 |
| 1億円超3億円まで | 4万3,000円 + 超過額5,000万円ごとに1万3,000円加算 |
※ 公証人手数料令(昭和32年政令第224号)に基づく
たとえば、妻に4,000万円、長男に3,000万円を相続させる場合の計算は以下の通りです。
- 妻4,000万円分:29,000円(3,000万円超5,000万円以下)
- 長男3,000万円分:23,000円(1,000万円超3,000万円以下)
- 合計:52,000円
- 遺言加算:11,000円
- 基本手数料合計:63,000円
遺言加算とその他の手数料
公正証書遺言の場合、基本手数料に加えて遺言加算11,000円が必要です。
これは遺言書全体にかかる手数料で、相続人が何人いても定額で加算されます。
また、作成後に交付される正本と謄本の手数料も別途必要になります。
正本・謄本はそれぞれ1ページあたり250円で計算され、一般的な遺言書であれば合計3,000円〜5,000円程度になるでしょう。
さらに、公証人が病院や自宅に出張して遺言を作成する場合は、基本手数料の1.5倍に加えて日当・交通費が発生します。
出張費用は距離によって異なりますが、日当は1万円程度、交通費は実費が加算されると考えておきましょう。
その他の手数料一覧
- 遺言加算: 11,000円(定額)
- 正本・謄本交付: 1ページ250円(通常3,000円〜5,000円)
- 出張の場合: 基本手数料×1.5倍 + 日当1万円 + 交通費実費
- 夜間・休日加算: 基本手数料×1.5倍(公証役場によって対応可否が異なる)
証人費用と証人の選び方
公正証書遺言の作成には、証人2名の立会いが法律で義務付けられています。
証人は遺言者が公証人に口述する内容を確認し、遺言書に署名・押印する役割を担います。
親族や友人に依頼できれば無料ですが、遺言内容を知られたくない場合や適任者がいない場合は、専門家や公証役場の紹介で証人を手配する必要があります。
証人費用の相場は1名あたり5,000円〜1万円程度で、2名分で1万円〜2万円程度が一般的です。
弁護士や司法書士に遺言作成を依頼した場合、証人も事務所のスタッフが務めることが多く、報酬に含まれている場合もあります。
証人は誰でもなれるのでしょうか?家族に頼むことはできますか?
相続人や受遺者、その配偶者・直系血族は証人になれません。第三者である友人や専門家を選ぶ必要があります。
証人になれない人の条件
民法第974条により、以下の人は公正証書遺言の証人になることができません。
- 未成年者
- 推定相続人および受遺者、ならびにその配偶者・直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
つまり、配偶者や子、孫、親など、遺言で財産を受け取る可能性のある人は証人になれません。
また、遺言者の判断能力に疑問がある場合、証人が遺言の有効性を証明する重要な役割を果たすため、信頼できる第三者を選ぶことが重要です。
証人の手配方法と費用
証人の手配方法には、主に以下の3つがあります。
証人の手配方法
- 知人・友人に依頼: 無料だが、遺言内容を知られる
- 公証役場に紹介を依頼: 1名5,000円〜1万円程度
- 弁護士・司法書士事務所に依頼: 1名5,000円〜1万円程度(報酬に含まれることもある)
公証役場に相談すれば、公証役場が提携している証人を紹介してもらえることがあります。
この場合、証人費用は公証役場を通じて支払うことになり、守秘義務を遵守した信頼できる人物が手配されます。
弁護士や司法書士に遺言作成を依頼している場合は、事務所のスタッフが証人を務めることが多く、追加費用なしで対応してもらえる場合もあります。
費用を抑えたい場合は、遺産を受け取らない親族(兄弟姉妹など)や信頼できる友人に依頼するのも一つの方法です。
必要書類の取得費用
公正証書遺言を作成するには、遺言者の本人確認書類や財産に関する証明書類が必要です。
これらの書類は市役所や法務局で取得する必要があり、取得手数料が発生します。
必要書類の取得費用は合計3,000円〜5,000円程度が一般的ですが、不動産が複数ある場合や相続人が多い場合はさらに増えることもあります。
書類の取得には時間がかかる場合もあるため、遺言作成を決めたら早めに準備を始めることをおすすめします。
主な必要書類と取得費用
公正証書遺言の作成に必要な書類と取得費用は以下の通りです。
必要書類と取得費用一覧
| 書類 | 取得先 | 費用 |
|---|---|---|
| 遺言者の印鑑登録証明書 | 市区町村役場 | 300円〜500円 |
| 遺言者の戸籍謄本 | 市区町村役場 | 450円 |
| 受遺者の戸籍謄本 | 市区町村役場 | 450円/人 |
| 不動産の登記事項証明書 | 法務局 | 600円/物件 |
| 固定資産評価証明書 | 市区町村役場 | 300円〜400円/物件 |
| 預金通帳のコピーまたは残高証明書 | 金融機関 | 通帳コピーは無料、残高証明書は500円〜1,000円 |
※ 自治体によって手数料が異なる場合があります
これらの書類は、公証役場で遺言内容を正確に記載するために必要となります。
特に不動産を相続させる場合は、登記事項証明書と固定資産評価証明書が必須です。
不動産の評価額は公証人手数料の計算にも使われるため、最新の評価証明書を取得しましょう。
書類取得の注意点
必要書類の取得にあたって、いくつか注意すべき点があります。
まず、印鑑登録証明書は発行後3ヶ月以内のものが必要です。
早めに取得しすぎると期限切れになる可能性があるため、公証役場との打ち合わせ日程が決まってから取得するのが良いでしょう。
戸籍謄本は本籍地の市区町村役場でしか取得できないため、遠方に本籍がある場合は郵送請求を利用することになります。
郵送請求の場合、往復の郵送期間を含めて2週間程度かかることもあるため、余裕を持って準備しましょう。
また、受遺者(財産を受け取る人)が相続人でない場合は、遺言者との関係を証明する書類が必要になることがあります。
たとえば、長年連れ添った内縁のパートナーや、お世話になった介護士に財産を残す場合などは、住民票や関係を説明する書類が求められる場合があります。
弁護士に依頼する場合の費用
公正証書遺言の作成を弁護士に依頼する場合、弁護士報酬が別途発生します。
弁護士報酬の相場は、10万円〜30万円程度が一般的ですが、遺産総額や遺言内容の複雑さによって変動します。
弁護士に依頼すると費用はかかりますが、法的に確実な遺言書を作成できるだけでなく、相続人間のトラブルを未然に防ぐアドバイスも受けられます。
特に、遺留分への配慮が必要な場合や、事業承継を含む遺言、複雑な家族関係がある場合は、弁護士のサポートが有効です。
弁護士報酬の相場と内訳
弁護士に遺言作成を依頼した場合の報酬体系は、主に以下のパターンがあります。
弁護士報酬の相場
| サービス内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 遺言内容の相談・アドバイス | 5万円〜10万円 |
| 遺言書の文案作成 | 10万円〜20万円 |
| 公証役場との調整・同行 | 3万円〜5万円 |
| 証人の手配 | 1万円〜2万円(または無料) |
| 必要書類の取得代行 | 2万円〜5万円 |
| 合計(フルサポート) | 15万円〜30万円 |
※ 事務所や遺産総額によって異なります
多くの法律事務所では、初回相談を無料または5,000円〜1万円程度で実施しています。
相談の結果、弁護士に依頼するかどうかを判断できるため、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
また、遺言執行者に弁護士を指定する場合は、遺言作成時に別途契約を結び、相続開始後に遺言執行報酬が発生します。
遺言執行報酬の相場は遺産総額の1〜3%程度で、最低報酬額が30万円〜50万円程度に設定されていることが多いでしょう。
弁護士に依頼するメリット
費用はかかりますが、弁護士に依頼することで得られるメリットは多岐にわたります。
最も大きなメリットは、法的に確実で無効リスクのない遺言書を作成できる点です。
公正証書遺言であっても、内容に問題があれば後日トラブルになる可能性があります。
たとえば、遺留分を侵害する内容の遺言を作成すると、相続開始後に遺留分侵害額請求をされ、相続人間で争いになる恐れがあります。
弁護士は、遺留分を考慮した財産配分のアドバイスや、付言事項(遺言者の想いを記す部分)の書き方まで、きめ細かくサポートしてくれます。
また、複雑な家族関係や事業承継が絡む場合は、弁護士の専門知識が不可欠です。
前妻との間に子どもがいる、認知した子がいる、会社の株式を相続させたい、といったケースでは、法的リスクを事前に洗い出し、適切な対策を講じることができます。
弁護士に依頼するメリット
- 法的に確実で無効リスクのない遺言書を作成できる
- 遺留分への配慮など、トラブル予防のアドバイスが受けられる
- 複雑な家族関係や事業承継にも対応可能
- 必要書類の取得から公証役場との調整まで全て任せられる
- 証人の手配も不要
- 相続開始後の遺言執行まで一貫してサポート
弁護士に相談することで、後々のトラブルを防げるなら、費用をかける価値がありますね。
公正証書遺言作成の流れと手続き
公正証書遺言を作成する際の流れは、大きく分けて準備・打ち合わせ・作成・保管の4段階です。
初めて遺言を作成する方でも、手順を理解しておけばスムーズに進められます。
公証役場への事前予約が必須なため、まずは電話で相談日の予約を取りましょう。
公証役場は全国に約300箇所あり、居住地に関係なくどこの公証役場でも利用できますが、一般的には自宅や職場に近い公証役場を利用します。
作成にかかる期間は、書類が揃っていれば2週間〜1ヶ月程度が目安です。
STEP1: 遺言内容の検討と財産目録の作成
まず、誰にどの財産を相続させるかを決定します。
不動産、預貯金、株式、生命保険金など、全ての財産をリストアップし、財産目録を作成しましょう。
財産の評価額も併せて記載しておくと、公証人手数料の概算が把握できます。
遺留分を侵害する内容になっていないか、相続税の負担は適切かなど、専門家のアドバイスを受けながら検討することをおすすめします。
また、遺言執行者を誰にするかも決めておきましょう。
遺言執行者は遺言内容を実現する役割を担うため、信頼できる人物や専門家を指定することが重要です。
STEP2: 必要書類の収集
遺言内容が固まったら、必要書類を揃えます。
先ほど解説した通り、印鑑登録証明書、戸籍謄本、登記事項証明書、固定資産評価証明書などが必要です。
特に不動産が複数ある場合や、受遺者が多い場合は、書類の取得に時間がかかることがあります。
公証役場との打ち合わせ日までに全ての書類を揃えておく必要があるため、遅くとも予約の1週間前までには準備を完了させましょう。
STEP3: 公証役場での打ち合わせ
必要書類が揃ったら、公証役場に連絡して打ち合わせの日程を調整します。
初回の打ち合わせでは、遺言者が公証人に遺言内容を説明し、公証人が法的な観点からアドバイスを行います。
公証人は遺言内容に基づいて遺言書の文案を作成し、後日確認のために送付またはメールで送ってくれます。
文案に問題がなければ、遺言書作成日を予約します。
この段階で、証人2名の手配と、公証人手数料の概算額を確認しておきましょう。
STEP4: 公正証書遺言の作成
作成当日は、遺言者と証人2名が公証役場に集まります。
公証人が遺言書の内容を読み上げ、遺言者がそれを確認したうえで、遺言者・証人・公証人全員が署名・押印します。
遺言者は実印を、証人は認印を持参しましょう。
作成が完了すると、遺言書の原本は公証役場で保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。
正本は遺言執行時に使用するため、遺言執行者に渡すか、自宅の金庫などに大切に保管してください。
作成当日の持ち物
- 遺言者: 実印、印鑑登録証明書、本人確認書類(運転免許証など)、公証人手数料
- 証人: 認印、本人確認書類
- その他: 必要書類一式(公証人に事前提出済みの場合は不要)
公正証書遺言の費用を抑える方法
公正証書遺言の作成費用を抑えるには、いくつかの方法があります。
公証人手数料は法律で決まっているため値引きできませんが、その他の費用を工夫することで総額を抑えることが可能です。
最も効果的なのは、証人を自分で手配することです。
信頼できる友人や、遺産を受け取らない親族に依頼できれば、証人費用1万円〜2万円を節約できます。
また、必要書類を自分で取得すれば、弁護士に書類取得代行を依頼する費用(2万円〜5万円)も不要になります。
自分でできることは自分で行う
弁護士に依頼すると全て任せられますが、費用は10万円〜30万円程度かかります。
遺言内容がシンプルで、相続人間のトラブルが予想されない場合は、自分で準備を進めることで大幅に費用を削減できます。
具体的には、以下の作業を自分で行うことで節約できます。
- 必要書類の取得(市役所・法務局への申請)
- 財産目録の作成
- 証人の手配(友人や親族に依頼)
- 公証役場との日程調整
ただし、遺留分や複雑な家族関係がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
費用を惜しんで不適切な遺言を作成してしまうと、相続開始後にトラブルになり、かえって高額な弁護士費用がかかる可能性があります。
出張費用を避ける
公証人が病院や自宅に出張する場合、基本手数料が1.5倍になり、日当と交通費も加算されます。
体調や移動が困難な事情がない限りは、公証役場に出向いて作成することで出張費用を節約できます。
また、公証役場によっては土日や夜間の対応も可能な場合がありますが、時間外手数料が加算されることがあります。
平日の日中に時間を作れる場合は、通常営業時間内に作成するのが良いでしょう。
複数の専門家に見積もりを取る
弁護士や司法書士に依頼する場合、報酬は事務所によって異なります。
複数の専門家に見積もりを依頼し、費用とサービス内容を比較することをおすすめします。
初回相談が無料の事務所も多いため、まずは相談してみて、対応や専門性を確認したうえで依頼先を決めましょう。
また、ベンナビ相続のような弁護士マッチングサービスを利用すれば、遺言作成に強い弁護士を効率的に探すことができます。
費用を抑えるポイント
- 証人を自分で手配する(友人・親族に依頼)
- 必要書類を自分で取得する
- 公証役場に出向いて作成し、出張費用を避ける
- 平日日中の通常営業時間に作成する
- 複数の専門家に見積もりを取る
- シンプルな遺言内容にする(受遺者や条件を複雑にしない)
よくある質問(FAQ)
Q1: 公正証書遺言の作成にはどれくらいの期間がかかりますか?
必要書類が揃っていれば、2週間〜1ヶ月程度が一般的です。
公証役場との打ち合わせから文案作成、最終的な作成日まで含めた期間です。
ただし、戸籍謄本や登記事項証明書の取得に時間がかかる場合や、公証役場の予約が混み合っている場合は、さらに時間がかかることもあります。
余裕を持って、少なくとも1ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。
Q2: 公正証書遺言は何度でも書き換えられますか?
はい、公正証書遺言は何度でも書き換え可能です。
新しい遺言を作成すると、前の遺言と矛盾する部分は自動的に取り消されます。
ただし、書き換えの都度、公証人手数料や証人費用が発生するため、遺言内容は慎重に検討してから作成しましょう。
遺言を撤回したい場合は、新しい遺言で「前の遺言を全て取り消す」旨を明記するか、公証役場で撤回の手続きを行います。
Q3: 公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらが良いですか?
確実性を重視するなら公正証書遺言、費用を抑えたいなら自筆証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言は費用がかかりますが、法的効力が高く、検認不要で紛失リスクもありません。
自筆証書遺言は無料で作成できますが、形式不備で無効になるリスクや、家庭裁判所での検認が必要になるデメリットがあります。
2020年7月からは法務局での自筆証書遺言保管制度も始まりましたが、公正証書遺言の方が依然として信頼性が高いとされています。
Q4: 公証役場はどこでも利用できますか?
はい、全国どこの公証役場でも利用可能です。
居住地や本籍地に関係なく、最寄りの公証役場や、勤務先に近い公証役場を選ぶことができます。
日本公証人連合会のウェブサイトで、全国の公証役場を検索できますので、事前に場所や連絡先を確認しておきましょう。
予約制のため、必ず事前に電話で相談日を予約してください。
Q5: 遺言執行者は必ず指定しなければなりませんか?
遺言執行者の指定は必須ではありませんが、指定しておくことを強く推奨します。
遺言執行者がいない場合、相続人全員で遺言内容を実行する必要があり、手続きが煩雑になります。
特に、不動産の名義変更や預金の解約など、具体的な手続きを円滑に進めるためには、遺言執行者の存在が重要です。
弁護士や司法書士を遺言執行者に指定すれば、専門知識を活かしてスムーズに遺言を実行してもらえます。
Q6: 弁護士費用が高すぎる場合、司法書士に依頼することはできますか?
はい、司法書士にも遺言作成のサポートを依頼できます。
司法書士の報酬は弁護士よりも安価な場合が多く、5万円〜15万円程度が相場です。
ただし、司法書士は法律相談や紛争解決には対応できないため、遺留分トラブルが予想される場合や、複雑な法律問題がある場合は、弁護士に依頼する方が安心です。
シンプルな遺言であれば司法書士、複雑な事案であれば弁護士と使い分けるのが良いでしょう。
Q7: 公正証書遺言を作成したことは家族に知られますか?
遺言作成時に家族に通知されることはありませんが、証人2名には内容を知られます。
証人には守秘義務があるため、第三者に漏らすことはありませんが、完全に秘密にすることはできません。
相続開始後は、相続人が公証役場に問い合わせることで、遺言の有無を確認することが可能です。
遺言の存在を事前に家族に伝えるかどうかは、遺言者の判断次第ですが、相続開始後のトラブルを避けるため、生前に遺言の存在と内容を説明しておくことも一つの方法です。
Q8: 海外在住でも日本の公証役場で遺言を作成できますか?
はい、一時帰国時に日本の公証役場で作成可能です。
ただし、必要書類の取得に時間がかかる場合があるため、帰国前に公証役場と連絡を取り、必要書類を確認しておきましょう。
また、海外の日本大使館・総領事館でも公正証書遺言の作成が可能な場合があります。
在外公館での作成を希望する場合は、事前に大使館・総領事館に問い合わせてください。
まとめ: 公正証書遺言の費用と作成のポイント
公正証書遺言の作成にかかる費用は、公証人手数料・証人費用・必要書類取得費用の合計で、自分で準備する場合は7万円〜10万円程度が目安です。
弁護士に依頼すると、さらに10万円〜30万円程度の報酬が加算されますが、法的に確実な遺言を作成でき、相続トラブルを未然に防げるメリットがあります。
公証人手数料は遺産総額に応じて法律で定められており、公証役場によって金額が変わることはありません。
費用を抑えたい場合は、証人を自分で手配し、必要書類を自分で取得することで節約できます。
ただし、遺留分への配慮が必要な場合や、複雑な家族関係がある場合は、専門家のサポートを受けることを強くおすすめします。
公正証書遺言は、自筆証書遺言と比べて費用はかかりますが、家庭裁判所の検認が不要で、原本が公証役場に保管されるため紛失・改ざんのリスクがないという大きなメリットがあります。
相続開始後にスムーズに遺言内容を実行できるため、確実性を重視する方には公正証書遺言が最適です。
遺言作成に不安がある方、遺留分トラブルが心配な方、事業承継を含む複雑な遺言を残したい方は、ベンナビ相続で遺言に強い弁護士を探してみてください。
初回相談無料の事務所も多く、オンライン相談に対応している弁護士もいるため、全国どこからでも気軽に相談できます。
遺言は、残される家族への最後のメッセージです。
法的に確実で、家族が安心できる遺言を残すために、専門家のサポートを活用しましょう。
公正証書遺言作成のポイント
- 費用は7万円〜10万円程度(自分で準備する場合)
- 弁護士に依頼すると総額17万円〜40万円程度
- 公証人手数料は法律で全国統一、値引き不可
- 証人を自分で手配すれば1〜2万円節約可能
- 遺留分や複雑な事案は専門家に相談を
- 検認不要で紛失リスクなし、確実性が高い
- 作成期間は2週間〜1ヶ月程度
免責事項
本記事の内容は、公開時点での一般的な情報を提供するものであり、個別の法律相談に代わるものではありません。
公証人手数料や弁護士報酬は、遺産総額や遺言内容、依頼先によって異なる場合があります。
具体的な費用や手続きについては、公証役場や弁護士に直接ご確認ください。
また、法律や制度は改正される可能性があるため、最新の情報は専門家にご確認いただくことをおすすめします。
本記事の内容に基づいて行動された結果について、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。








