【図解】相続人調査の戸籍の集め方|出生から死亡までの連続した戸籍を漏れなく取得する方法

相続手続きを進める際、最初にぶつかる壁が「戸籍の収集」です。

被相続人の出生から死亡までの戸籍を漏れなく揃えなければ、相続人の確定ができず、預金の解約や不動産の名義変更といった手続きが一切進みません。

この記事では、相続人調査に必要な戸籍の種類と集め方を、ステップごとに図解を交えて解説します。

戸籍の取り寄せにかかる費用や期間、専門家に依頼すべきケースまで網羅的にまとめていますので、これから相続手続きを始める方はぜひ参考にしてください。

目次

相続人調査とは?なぜ戸籍が必要なのか

相続人調査とは、亡くなった方(被相続人)の法定相続人が誰であるかを、戸籍をたどって客観的に確定させる手続きです。

相続手続きでは、金融機関や法務局に対して「この相続には誰が関与する権利があるのか」を証明する必要があります。

そのため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人全員の現在戸籍を提出することが求められます。

相談者

戸籍を集めるだけで、こんなに大変なんですね…

戸籍による相続人調査は、法律上の義務ではありませんが、実務上は必須の作業となっています。

戸籍がなければ、相続人の範囲が確定できず、遺産分割協議を行うことも、預金の払い戻しを受けることもできません。

相続人調査で確定すべき法定相続人の範囲

法定相続人とは、民法で定められた「相続する権利を持つ人」のことです。

配偶者は常に相続人となり、それ以外の相続人には優先順位があります。

第1順位は子(直系卑属)で、子が既に亡くなっている場合は孫が代襲相続します。

第2順位は父母(直系尊属)で、父母が亡くなっている場合は祖父母が相続人になります。

第3順位は兄弟姉妹で、兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪が代襲相続しますが、甥・姪の子には代襲権がありません。

これらの相続人を漏れなく確定するには、被相続人の出生時点まで遡って戸籍を確認し、すべての親族関係を明らかにする必要があります。

ポイント

戸籍を遡ることで、離婚歴のある被相続人に前婚の子がいる場合や、認知された子がいる場合など、家族が把握していなかった相続人が判明するケースもあります。

特に兄弟姉妹が相続人となる場合、被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍も必要になるため、収集範囲が大幅に広がります。

相続人調査を正確に行うことで、後から相続人が判明して遺産分割協議をやり直すリスクを防ぐことができます。

戸籍に漏れがあった場合のリスク

戸籍の収集に漏れがあると、相続手続き全体が無効になるリスクがあります。

例えば、被相続人の出生から死亡までの戸籍が連続していない場合、金融機関は相続人の確定ができないとして手続きを受け付けません。

遺産分割協議書を作成して相続登記を申請した後に、戸籍を精査したところ新たな相続人が判明した場合、遺産分割協議のやり直しと登記の抹消が必要になります

この場合、すでに合意した他の相続人全員から再度署名・押印をもらう必要があり、時間も費用も大幅にかかります。

また、漏れていた相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性もあり、法的紛争に発展するケースも少なくありません。

相談者

戸籍の漏れで、後から大変なことになるんですね…

特に注意が必要なのは、被相続人が転籍を繰り返していた場合や、本籍地を何度も変更していた場合です。

戸籍の編製方式が変わった時期(昭和改製・平成改製)を経ている場合、改製前の戸籍(改製原戸籍)まで取得しないと、過去の婚姻歴や子の存在が記載されていないこともあります。

戸籍の漏れを防ぐためには、各戸籍の「従前戸籍」欄を丁寧に確認し、時系列順に連続していることを確認しながら収集を進める必要があります。

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相続人調査で必要な戸籍の種類と範囲

相続人調査では、複数の種類の戸籍を収集する必要があります。

それぞれの戸籍には記載内容や取得方法に違いがあり、正確に理解しておかないと必要な戸籍を取り逃す可能性があります。

ここでは、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違いと、相続手続きで必要になる戸籍の範囲について詳しく解説します。

戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い

戸籍謄本は、現在使用されている戸籍の全部事項証明書のことです。

戸籍に記載されている人が全員除かれていない状態の戸籍を指し、相続人の現在戸籍として使用します。

除籍謄本は、戸籍に記載されている人が全員除かれた状態の戸籍です。

婚姻や死亡、転籍などによって全員が除かれた場合に除籍となり、被相続人の死亡時の戸籍は通常、除籍謄本として取得します。

改製原戸籍(かいせいげんこせき)は、戸籍の様式変更によって新しい様式に書き換えられた際の、旧様式の戸籍を指します。

昭和23年式から昭和32年式への改製(昭和改製)と、紙の戸籍からコンピュータ化された戸籍への改製(平成改製)の2回があり、それぞれの時期に改製原戸籍が作成されています。

補足

改製原戸籍は「原戸籍」と略されますが、読み方は「げんこせき」ではなく「はらこせき」が正式です。ただし、実務では「げんこせき」と呼ばれることも多く、どちらでも通じます。

改製原戸籍が重要なのは、改製の際に除籍された情報(離婚した元配偶者や既に死亡した子など)は新しい戸籍に引き継がれないためです。

相続人調査では、こうした除籍された情報も確認する必要があるため、改製原戸籍まで遡って取得しなければなりません。

また、戸籍の保存期間は除籍後150年(平成22年以前は80年)とされており、古い戸籍が廃棄されている場合もあります。

被相続人の出生から死亡までの戸籍とは

被相続人の出生から死亡までの戸籍とは、被相続人が生まれた時点の戸籍から、死亡時の戸籍まで、時系列順に連続したすべての戸籍を指します。

これを取得する目的は、被相続人の一生を通じた親族関係をすべて把握し、認知された子や養子縁組の事実など、相続権に影響する事項を漏れなく確認することです。

出生から死亡までの戸籍が必要な理由は、被相続人の相続人が誰であるかを客観的に証明するためです。

被相続人が転籍や婚姻を繰り返していた場合、戸籍は複数に分かれており、それぞれの本籍地の役所で順番に取得する必要があります。

相談者

出生までたどるのは大変そうですね…どうやって遡るんですか?

戸籍には「従前戸籍」という欄があり、その戸籍が作られる前にどこの戸籍に記載されていたかが記載されています。

この情報をたどって、前の本籍地の役所に請求することで、順番に遡っていくことができます。

最終的に、出生時の戸籍に到達すると「出生」の記載があり、それ以前の戸籍が存在しないことが確認できます。

注意

被相続人が高齢の場合、出生時の戸籍が戦災で焼失していることがあります。この場合は「戸籍滅失証明書」を発行してもらい、取得可能な最も古い戸籍から揃えることになります。

被相続人が本籍地を頻繁に変更していた場合、10通以上の戸籍が必要になることもあり、収集には数週間から数ヶ月かかることもあります。

相続人全員の現在戸籍が必要な理由

相続手続きでは、被相続人の戸籍だけでなく、相続人全員の現在戸籍も提出が求められます。

その理由は、相続人が現時点で生存しており、相続権を持っていることを証明するためです。

被相続人の戸籍で相続人の範囲が確定しても、その相続人が既に亡くなっていた場合は代襲相続が発生し、相続人が変わります。

そのため、相続手続きを行う時点で相続人全員が生存していることを、現在戸籍によって証明する必要があります。

現在戸籍は、各相続人の本籍地の役所で取得しますが、令和6年3月から開始された広域交付制度を利用すれば、本籍地以外の役所でも取得できるようになりました。

また、遺産分割協議を行う際には、相続人全員の印鑑証明書も必要になるため、戸籍と併せて準備しておくとスムーズです。

相続人の中に未成年者がいる場合は、親権者が代理人となりますが、親権者自身も相続人である場合は利益相反となるため、特別代理人の選任が必要になります。

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戸籍を集める前に確認すべきこと

戸籍の収集を始める前に、いくつか確認しておくべき事項があります。

特に、被相続人の本籍地がどこにあるのかを把握しておかないと、戸籍の請求先がわからず、手続きが進められません。

また、家族構成や婚姻歴などをあらかじめ聞き取っておくことで、必要な戸籍の範囲を推定でき、効率的に収集を進めることができます。

被相続人の本籍地の調べ方

戸籍を取得するには、被相続人の本籍地を正確に把握する必要があります。

本籍地は住所とは異なり、日本国内のどこに設定することも可能なため、住んでいた場所と本籍地が一致しないケースも多くあります。

本籍地を調べる最も確実な方法は、住民票の除票を取得することです。

住民票の除票には、死亡時の住所と本籍地が記載されているため、これを基に戸籍の請求を行うことができます。

住民票の除票は、死亡時の住所地の市区町村役場で取得できますが、令和元年以前に除票された場合は保存期間が過ぎて廃棄されている可能性があります。

相談者

住民票の除票が取れない場合はどうすればいいんですか?

住民票の除票が取得できない場合、以下の方法で本籍地を調べることができます。

まず、被相続人が保管していた運転免許証やマイナンバーカードを確認してください。

運転免許証の裏面には本籍地が記載されており、マイナンバーカードにも本籍地の情報が含まれています。

また、被相続人が生前に受け取った年金証書や保険証券にも、本籍地が記載されていることがあります。

ポイント

本籍地が全くわからない場合は、住んでいた市区町村に本籍地照会を行うこともできますが、相続人であることを証明する書類が必要です。

本籍地が判明したら、その市区町村役場に戸籍謄本の交付請求を行います。

請求の際には、被相続人との関係がわかる書類(請求者自身の戸籍謄本など)と、本人確認書類が必要になります。

相続関係を推定するための聞き取り

戸籍の収集を効率的に進めるには、事前に家族や親族から情報を聞き取っておくことが重要です。

特に、被相続人の婚姻歴や子の有無、本籍地の変遷などを把握しておくと、必要な戸籍の範囲を推定でき、無駄な請求を減らすことができます。

まず確認すべきは、被相続人の配偶者と子の人数です。

配偶者がいる場合、婚姻日と婚姻時の本籍地を聞いておくと、戸籍をたどる際の手がかりになります。

子がいる場合は、実子か養子か、認知された子がいるかどうかも確認しておきましょう。

次に、被相続人の両親と兄弟姉妹について情報を集めます。

子がいない場合は両親が相続人となり、両親も亡くなっている場合は兄弟姉妹が相続人になるため、この情報が重要です。

相談者

事前に家族構成を整理しておくと、スムーズに進められそうですね。

また、被相続人が離婚歴がある場合は、前婚の配偶者との間に子がいるかどうかを確認してください。

前婚の子も法定相続人となるため、戸籍で存在を確認し、連絡を取る必要があります。

さらに、被相続人が養子縁組をしていた場合も、養子が相続人になります。

養子縁組の有無は戸籍に記載されていますが、事前に把握しておくことで、相続人の範囲を推定しやすくなります。

まとめ

聞き取りで得た情報を基に相続関係図を作成しておくと、戸籍の収集作業がスムーズに進むだけでなく、後の遺産分割協議でも役立ちます。

聞き取りの際には、家族の記憶が曖昧な場合もあるため、必ず戸籍で事実関係を確認することが大切です。

特に、被相続人が高齢で本籍地を何度も変更していた場合や、戦前の婚姻・養子縁組がある場合は、戸籍の記載内容が複雑になることもあります。

戸籍の集め方【ステップ別解説】

ここからは、実際に戸籍を収集する手順をステップごとに解説します。

被相続人の死亡時の戸籍から始めて、順番に遡っていく方法を理解すれば、複雑に見える戸籍収集も体系的に進められます。

また、令和6年3月から開始された広域交付制度についても触れますので、効率的な収集方法を把握してください。

STEP1 死亡時の本籍地で除籍謄本を取得

戸籍収集の最初のステップは、被相続人が死亡した時点の本籍地で除籍謄本を取得することです。

死亡届が提出されると、被相続人は戸籍から除籍され、その戸籍に他の在籍者がいなければ除籍謄本となります。

除籍謄本の請求方法は、本籍地の市区町村役場の窓口で直接請求するか、郵送で請求するかの2通りがあります。

窓口請求の場合、相続人であることがわかる書類(自分の戸籍謄本など)と本人確認書類(運転免許証など)を持参します。

郵送請求の場合は、交付請求書・本人確認書類のコピー・定額小為替(手数料分)・返信用封筒を同封して送付します。

相談者

郵送請求だと、どのくらい時間がかかるんですか?

郵送請求の場合、役所に届いてから返送されるまで1〜2週間程度かかることが一般的です。

ただし、年末年始や大型連休の前後は処理が遅れることがあるため、余裕を持って請求することをおすすめします。

ポイント

請求書には「相続手続きのため」と使用目的を明記し、「出生から死亡までの連続した戸籍すべて」と記載しておくと、役所側で該当する戸籍をまとめて交付してくれる場合があります。

死亡時の除籍謄本が取得できたら、その内容を確認します。

確認すべき項目は、死亡日・本籍地・筆頭者・被相続人の生年月日・従前戸籍の記載です。

従前戸籍の欄に記載されている本籍地が、次に請求すべき戸籍の所在地となります。

STEP2 記載をたどって出生時の戸籍まで遡る

死亡時の除籍謄本に記載されている従前戸籍をたどって、順番に古い戸籍を取得していきます。

この作業を繰り返し、最終的に被相続人の出生時の戸籍に到達するまで続けます。

従前戸籍の読み取り方は、戸籍の欄外や備考欄に「従前本籍」「転籍元」などの記載があるため、そこに記されている住所と本籍地を確認します。

従前戸籍が別の市区町村にある場合、その役所に新たに戸籍の請求を行います。

同じ市区町村内で本籍地を変更している場合は、同じ役所で複数の戸籍をまとめて請求できることもあります。

相談者

同じ役所なら、一度にまとめて請求できるんですね。

戸籍を遡る際に注意すべきは、改製原戸籍の存在です。

平成改製(コンピュータ化)や昭和改製によって戸籍の様式が変更された際、改製前の戸籍(改製原戸籍)が作成されています。

改製原戸籍には、改製時点で除籍されていた情報が記載されているため、必ず取得する必要があります。

注意

改製原戸籍を取得せずに手続きを進めると、過去の離婚歴や認知された子の存在を見落とす可能性があります。必ず改製の有無を確認してください。

被相続人が転籍を繰り返していた場合、複数の市区町村から戸籍を取り寄せることになります。

この場合、各役所への請求を並行して進めることで、収集期間を短縮できます。

最終的に、出生の記載がある戸籍(出生届が記載された戸籍)に到達したら、出生から死亡までの連続した戸籍が揃ったことになります。

STEP3 相続人全員の現在戸籍を取得

被相続人の戸籍が揃ったら、次に相続人全員の現在戸籍を取得します。

相続人の現在戸籍は、相続人が現時点で生存していることを証明するために必要です。

相続人が複数いる場合、それぞれの本籍地の役所に個別に請求する必要がありますが、令和6年3月から開始された広域交付制度を利用すれば、本籍地以外の役所でも取得できます。

相続人の戸籍請求で注意すべき点は、請求する人が相続人本人でない場合、委任状が必要になることです。

ただし、同一の相続手続きに関連する場合、代表相続人が他の相続人の戸籍を請求することは可能です。

この場合、被相続人の戸籍と請求者自身の戸籍を添付し、相続手続きのために必要である旨を説明します。

まとめ

相続人全員の戸籍が揃ったら、法定相続情報証明制度を利用することで、以降の手続きで戸籍の束を提出する手間を省くことができます。

相続人の戸籍には、氏名・生年月日・本籍地・筆頭者が記載されており、金融機関や法務局での手続きで提出を求められます。

戸籍謄本の有効期限は定められていませんが、発行から3ヶ月以内のものを求められることが多いため、取得時期には注意が必要です。

広域交付制度(令和6年3月〜)の活用

令和6年3月1日から、戸籍の広域交付制度が開始されました。

この制度により、本籍地以外の市区町村役場でも、全国の戸籍を請求できるようになりました。

広域交付制度のメリットは、複数の市区町村にまたがる戸籍を、1ヶ所の役所でまとめて取得できる点です。

これまでは、本籍地ごとに個別に請求する必要があったため、時間と手間がかかっていましたが、広域交付制度によって大幅に効率化されました。

広域交付制度を利用する際の注意点として、窓口での請求のみ対応しており、郵送請求は利用できません

また、請求できるのは本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫)の戸籍に限られ、兄弟姉妹の戸籍は請求できません。

相談者

これは便利ですね!窓口に行けば、まとめて取れるんですね。

広域交付制度を利用する場合、請求者本人が窓口に出向き、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を提示します。

請求時には、必要な戸籍の本籍地と筆頭者を正確に伝える必要があるため、事前に情報を整理しておくことが重要です。

補足

広域交付制度では、コンピュータ化されていない一部の戸籍や、一部事項証明(戸籍抄本)は取得できません。また、請求から交付まで1〜2時間程度かかることがあります。

広域交付制度の導入により、相続手続きにおける戸籍収集の負担が大幅に軽減されたため、積極的に活用することをおすすめします。

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戸籍収集にかかる費用と期間

戸籍の収集には、手数料や郵送費用などのコストがかかります。

また、被相続人の戸籍の数や本籍地の数によって、収集にかかる期間も大きく変わります。

ここでは、戸籍収集にかかる費用と期間の目安を解説します。

戸籍の種類別手数料一覧

戸籍の取得には、種類ごとに手数料が定められています。

戸籍謄本(全部事項証明)の手数料は、1通450円です。

これは現在使用されている戸籍で、相続人の現在戸籍として取得する際の費用です。

除籍謄本の手数料は、1通750円です。

被相続人が死亡した時点の戸籍や、転籍によって使用されなくなった戸籍を取得する際に必要です。

改製原戸籍の手数料も、1通750円です。

戸籍の様式変更によって作成された旧様式の戸籍で、相続人調査では必須の戸籍となります。

ポイント

被相続人の戸籍を遡る場合、除籍謄本と改製原戸籍が複数必要になることが多いため、手数料は通常5,000円〜10,000円程度かかります。

手数料の支払い方法は、窓口請求の場合は現金で支払い、郵送請求の場合は定額小為替を同封します。

定額小為替は郵便局で購入でき、1枚につき200円の発行手数料がかかります。

相談者

定額小為替の発行手数料も結構かかるんですね…。

複数の戸籍を請求する場合、必要な手数料の合計額がわからないことがあります。

その場合、やや多めの定額小為替を同封し、余った分は返送してもらうことが一般的です。

郵送請求でかかる追加費用

郵送で戸籍を請求する場合、手数料以外にも追加費用がかかります。

まず、返信用封筒の切手代が必要です。

戸籍謄本1〜2通であれば84円切手で足りることが多いですが、複数の戸籍を請求する場合は、重量が増えるため120円または140円の切手が必要になることもあります。

役所によっては、返信用封筒に切手を貼らず、「不足分は受取人払いでお願いします」と記載することを認めている場合もあります。

次に、請求書類を送付する際の郵送費がかかります。

定形郵便であれば84円で送付できますが、定額小為替を複数枚同封する場合や、本人確認書類のコピーを含める場合は、重量が増えるため120円以上かかることがあります。

補足

郵送請求の際には、簡易書留や特定記録郵便を利用することで、配達状況を追跡でき、紛失リスクを減らすことができます。簡易書留は320円、特定記録郵便は160円の追加料金がかかります。

郵送請求を複数の市区町村に対して行う場合、それぞれに手数料・切手代・郵送費がかかるため、総額は1万円を超えることもあります。

また、海外在住の相続人がいる場合、国際郵便での戸籍の送付が必要になり、さらに費用が増加します。

戸籍収集にかかる期間の目安

戸籍収集にかかる期間は、被相続人の本籍地の数や、請求方法によって大きく変わります。

窓口で直接請求する場合、その場で交付を受けられるため、1日で複数の戸籍を取得できます。

ただし、本籍地が複数の市区町村にまたがる場合、それぞれの役所に出向く必要があるため、移動時間がかかります。

郵送請求の場合、往復の郵送日数と役所での処理日数を合わせて、1つの役所あたり1〜2週間程度かかります。

複数の市区町村から戸籍を取り寄せる場合、並行して請求を進めることで期間を短縮できますが、それでも1ヶ月程度は見込んでおく必要があります。

相談者

1ヶ月もかかるんですね…もっと早くする方法はないんですか?

戸籍収集を早く終わらせるには、以下の方法が有効です。

まず、広域交付制度を利用して、1ヶ所の役所でまとめて戸籍を取得する方法があります。

次に、司法書士や行政書士に依頼することで、職務上請求を利用して迅速に戸籍を収集してもらうことができます。

まとめ

戸籍収集は自分でも可能ですが、時間と手間がかかります。相続手続きの期限が迫っている場合や、仕事が忙しい場合は、専門家に依頼することも検討しましょう。

また、被相続人が高齢で本籍地を頻繁に変更していた場合や、戦前の戸籍が必要な場合は、収集に数ヶ月かかることもあります。

法定相続情報証明制度の活用

戸籍を収集した後、法定相続情報証明制度を利用することで、以降の相続手続きを大幅に簡略化できます。

この制度は、法務局が相続関係を証明する書類を発行してくれるもので、戸籍の束を何度も提出する手間を省くことができます。

ここでは、法定相続情報証明制度の仕組みと、利用するメリット・デメリットについて解説します。

法定相続情報証明制度とは

法定相続情報証明制度は、平成29年5月に開始された制度で、相続手続きを簡素化するために導入されました。

この制度を利用すると、法務局が被相続人の戸籍を確認し、法定相続人が誰であるかを証明する「法定相続情報一覧図」を発行してくれます。

法定相続情報一覧図は、相続関係を1枚の図にまとめたもので、法務局の認証文が付いています。

この一覧図を提出することで、金融機関や法務局での手続きの際に、戸籍の束を提出する必要がなくなります。

相談者

これは便利ですね!戸籍の束を何度も出さなくていいんですね。

法定相続情報一覧図の発行は無料で、必要な枚数を何通でも取得できます。

複数の金融機関で手続きを並行して進める場合や、不動産の相続登記と預金の解約を同時に進める場合に非常に便利です。

ポイント

法定相続情報一覧図は、被相続人の最後の住所地・最後の本籍地・不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局に申請できます。

申請の際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の現在戸籍、被相続人の住民票の除票などを提出します。

法務局での審査は通常1〜2週間程度で完了し、一覧図が交付されます。

利用するメリットと手続きの流れ

法定相続情報証明制度を利用する最大のメリットは、戸籍の束を何度も提出する手間が省ける点です。

相続手続きでは、銀行・証券会社・保険会社・法務局など、複数の機関に戸籍を提出する必要がありますが、法定相続情報一覧図を使えば、1枚の書類で済みます。

また、戸籍の束は厚みがあり、コピーを取る際にも手間がかかりますが、一覧図は1枚のため取り扱いが簡単です。

手続きの流れは以下の通りです。

まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の現在戸籍を収集します。

次に、法定相続情報一覧図を作成します。

一覧図の様式は法務局のウェブサイトからダウンロードでき、被相続人と相続人の氏名・生年月日・続柄などを記載します。

相談者

一覧図の作成は難しくないですか?

一覧図の作成自体は、相続関係を図に書き起こすだけなので難しくはありませんが、記載漏れやミスがあると訂正が必要になります。

法務局に申請すると、内容を審査した上で認証文付きの一覧図が交付されます。

交付された一覧図は、相続手続きのたびに提出することができ、原本還付も可能です。

まとめ

法定相続情報証明制度は無料で利用でき、相続手続きの効率化に大きく貢献します。戸籍を収集したら、この制度を積極的に活用しましょう。

注意点とデメリット

法定相続情報証明制度には多くのメリットがありますが、いくつか注意点もあります。

まず、一覧図には相続人の住所を記載しないことも可能ですが、金融機関によっては住所入りの一覧図を求められることがあります。

住所を記載する場合、住民票も提出する必要があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

次に、法定相続情報一覧図は、遺産分割協議の内容を証明するものではありません。

あくまで「法定相続人が誰であるか」を証明する書類なので、遺産分割協議書は別途作成する必要があります。

また、一覧図の発行には1〜2週間程度かかるため、急ぎの手続きがある場合は、戸籍の束をそのまま提出した方が早い場合もあります。

注意

法定相続情報一覧図は、相続税申告には使用できません。税務署には戸籍の束を原本で提出する必要があるため、注意してください。

さらに、一覧図に記載ミスがあった場合、訂正には再度法務局での手続きが必要になります。

そのため、一覧図を作成する際には、戸籍の内容を正確に転記し、記載漏れがないように注意しましょう。

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専門家に依頼すべきケースと費用

戸籍の収集は自分で行うこともできますが、時間や手間を考えると、専門家に依頼した方が効率的なケースも多くあります。

特に、被相続人の戸籍が複雑な場合や、仕事が忙しくて役所に行く時間が取れない場合は、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。

ここでは、どのようなケースで専門家に依頼すべきか、また費用の相場について解説します。

司法書士・行政書士に依頼するメリット

戸籍の収集を専門家に依頼する場合、司法書士または行政書士に依頼するのが一般的です。

司法書士は、相続登記(不動産の名義変更)を行う際に戸籍収集も併せて依頼できるため、不動産の相続がある場合に適しています。

行政書士は、戸籍収集や遺産分割協議書の作成を専門に行っており、登記が不要な場合はこちらに依頼するとコストを抑えられます。

相談者

司法書士と行政書士、どちらに頼めばいいんですか?

不動産の相続登記が必要な場合は司法書士、それ以外の相続手続き(預金解約や遺産分割協議書作成)のみの場合は行政書士に依頼するのが一般的です。

専門家に依頼する最大のメリットは、職務上請求を利用して迅速に戸籍を収集できる点です。

職務上請求とは、弁護士・司法書士・行政書士などが、業務上必要な場合に戸籍や住民票を請求できる制度で、一般の請求よりも優先的に処理されることがあります。

ポイント

専門家に依頼することで、戸籍の読み取りや不足書類の確認もすべて任せられるため、自分で手続きする際のミスや漏れを防ぐことができます。

また、専門家は戸籍を読み解く経験が豊富なため、複雑な相続関係でも正確に相続人を確定できます。

特に、被相続人に離婚歴がある場合や、認知された子がいる可能性がある場合は、専門家に依頼することで確実な調査が可能です。

専門家への依頼費用の相場

戸籍収集を専門家に依頼する際の費用は、依頼する業務の範囲や戸籍の数によって異なります。

戸籍収集のみを依頼する場合、費用の相場は3万円〜5万円程度です。

これには、戸籍の取得手数料や郵送費用も含まれることが一般的ですが、事前に見積もりを確認しましょう。

相続登記を司法書士に依頼する場合、登記費用とセットで戸籍収集も依頼できることが多く、総額で8万円〜15万円程度が相場です。

登記の難易度や不動産の数によって費用は変動しますが、戸籍収集の費用も含まれているため、別途依頼するよりも割安になることがあります。

相談者

登記とセットなら、費用も抑えられるんですね。

遺産分割協議書の作成も依頼する場合、追加で3万円〜5万円程度の費用がかかります。

行政書士に戸籍収集と遺産分割協議書作成をセットで依頼する場合、総額で5万円〜10万円程度が目安です。

補足

被相続人の戸籍が多数にわたる場合や、相続人が10名以上いる場合は、追加料金が発生することがあります。依頼前に詳細な見積もりを取得しましょう。

専門家に依頼する際には、複数の事務所から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較することをおすすめします。

また、初回相談が無料の事務所も多いため、まずは相談してから依頼を検討すると良いでしょう。

まとめ

自分で戸籍を収集する時間がない場合や、相続関係が複雑な場合は、専門家に依頼することで時間と手間を大幅に削減できます。費用は数万円かかりますが、確実な手続きが期待できます。

よくある質問(FAQ)

戸籍の収集に関して、よくある質問をまとめました。

手続きの中で疑問に思うことがあれば、こちらを参考にしてください。

Q戸籍を郵送で取り寄せる方法は?
A

郵送で戸籍を取り寄せる場合、まず本籍地の市区町村役場のウェブサイトから交付請求書をダウンロードします。

請求書に必要事項を記入し、本人確認書類のコピー、手数料分の定額小為替、返信用封筒(切手を貼付)を同封して送付します。

定額小為替は郵便局で購入でき、1枚につき200円の発行手数料がかかります。

返信用封筒には、自分の住所を記載し、84円または120円の切手を貼ります。

郵送請求の場合、役所に届いてから返送されるまで1〜2週間程度かかることが一般的です。

Q相続人が行方不明の場合はどうすれば?
A

相続人の中に行方不明者がいる場合、まず戸籍の附票を取得して現在の住所を確認します。

戸籍の附票には、過去の住所の履歴が記載されているため、最後の住所地を特定できます。

それでも所在がわからない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立て、管理人が代わりに遺産分割協議に参加します。

また、7年以上生死不明の場合は、失踪宣告の申立てを行い、法律上死亡したものとみなすことも可能です。

いずれの手続きも家庭裁判所での手続きが必要になるため、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

Q戸籍が廃棄されていた場合の対処法は?
A

戸籍の保存期間は除籍後150年(平成22年以前は80年)とされており、古い戸籍が廃棄されていることがあります。

戸籍が廃棄されていた場合、役所に「戸籍滅失証明書」または「廃棄証明書」の発行を依頼します。

この証明書を添付することで、取得可能な最も古い戸籍から手続きを進めることができます。

また、戦災で戸籍が焼失していた場合も、同様に滅失証明書を取得します。

金融機関や法務局は、やむを得ない事情で戸籍が取得できない場合、滅失証明書を代わりに受け付けてくれることが一般的です。

Q海外在住の相続人がいる場合はどうすれば?
A

海外在住の相続人がいる場合、その相続人の戸籍謄本または在留証明書、署名証明書を取得する必要があります。

在留証明書と署名証明書は、現地の日本大使館または総領事館で発行してもらえます。

遺産分割協議書に署名・押印する際、印鑑証明書の代わりに署名証明書を使用します。

また、海外在住の相続人に戸籍を郵送する場合、国際郵便を利用するため、通常より時間と費用がかかります。

EMS(国際スピード郵便)を利用すれば、1週間程度で届けることが可能です。

Q法定相続情報証明制度は誰でも使える?
A

法定相続情報証明制度は、相続人本人またはその代理人(弁護士・司法書士・行政書士など)が利用できます。

相続人の中から代表者を決めて申請することが一般的で、代表者が法務局に戸籍と一覧図を提出します。

申請は無料で、必要な枚数を何通でも取得できます。

ただし、一覧図の作成には正確な記載が求められるため、記載ミスがあると訂正が必要になります。

不安な場合は、司法書士や行政書士に一覧図の作成と申請を依頼することも可能です。

まとめ

相続人調査で必要な戸籍の収集は、相続手続きの最初の関門です。

被相続人の出生から死亡までの戸籍を漏れなく揃え、相続人全員の現在戸籍を取得することで、法定相続人を確定できます。

戸籍の収集には、死亡時の除籍謄本から順番に遡り、改製原戸籍も含めてすべての戸籍を取得する必要があります。

郵送請求を利用すれば、遠方の役所からも戸籍を取り寄せることができますが、時間がかかるため計画的に進めましょう。

令和6年3月から開始された広域交付制度を活用すれば、複数の市区町村にまたがる戸籍を1ヶ所でまとめて取得でき、大幅な時間短縮が可能です。

相談者

戸籍の集め方がよくわかりました!自分でもできそうです。

戸籍を収集したら、法定相続情報証明制度を利用することで、以降の相続手続きがスムーズになります。

法務局で一覧図を発行してもらえば、戸籍の束を何度も提出する手間が省けるため、積極的に活用しましょう。

ただし、戸籍の収集が複雑な場合や、時間がない場合は、司法書士や行政書士に依頼することも検討してください。

専門家に依頼すれば、職務上請求を利用して迅速に戸籍を収集してもらえ、ミスや漏れを防ぐことができます。

相続手続きは期限が決められているものもあるため、早めに戸籍の収集を開始し、確実に相続人を確定させることが大切です。

まとめ

戸籍の収集は手間がかかりますが、相続手続きの基本となる重要な作業です。この記事で解説した手順を参考に、漏れなく戸籍を集めて、スムーズな相続手続きを進めましょう。

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