【2025年最新】コロナで死亡した時の葬儀|対面・家族葬は可能?費用や5類後のルールを専門家が解説

大切なご家族を新型コロナウイルスで亡くされ、深い悲しみの中にいらっしゃることと心からお察し申し上げます。

同時に、「顔を見てお別れができるのか」「防護服を着なければならないのか」といった不安を抱えていらっしゃいませんか。

2023年5月の5類感染症への移行に伴い、厚生労働省のガイドラインが大幅に改正され、現在は原則として通常通りの葬儀や対面でのお別れが可能になっています。

ただし、葬儀社や火葬場の設備・方針によって対応が異なる場合があるため、事前の確認が重要です。

本記事では、最新のガイドラインに基づいた「できること・注意点・費用の真実」を解説し、後悔のないお別れをサポートいたします。

目次

【結論】新型コロナ(5類移行後)でも「通常通りの葬儀」が可能です

2023年5月以降の厚生労働省ガイドラインの変更点

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の「5類感染症」に位置づけられました。

これに伴い、厚生労働省と経済産業省が策定する「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」が、2023年4月26日に改正されています(2023年6月14日一部修正)。

この改正により、遺体を非透過性納体袋に収容する推奨が撤廃され、適切な感染対策(清拭、鼻孔や口腔等への詰め物、紙おむつの使用など)を行えば、通常の遺体と同様に取り扱えることが明確化されました。

また、24時間以内の火葬が可能という従来の規定も、通常の遺体と同じく24時間以上経過しなければ火葬できないという原則に戻されています。

つまり、標準的な感染予防策を実施すれば、特別な制限は不要というのが現在の国の見解です。

ご遺体との対面・接触について

多くのご遺族が最も心配される「最期に顔を見てお別れができるのか」という点について、現在のガイドラインでは対面が可能とされています。

厚生労働省のガイドラインには、「遺族等の方は悲しみと不安を抱えておられますので、お気持ちに寄り添いながら対応を行ってください。病室でひと時のお別れの時間を設けることも考えられます」と明記されています。

手指消毒等の基本的な感染対策を行えば、手を握る・触れることも認められているのが現在の取り扱いです。

以前のような「お骨になるまで会えない」という状況は、原則として解消されています。

ただし、遺体の状態や体液の漏出リスクによっては、医療機関や葬儀社が個別に判断する場合があることも事実です。

お通夜・告別式の実施形式

現在のガイドラインでは、適切な感染対策を講じることを条件に、通常通りの通夜・告別式の実施が可能とされています。

直葬(火葬式)だけでなく、一般的な家族葬や通夜・告別式を含む葬儀形式も選択できます。

ただし、会場では基本的な感染対策(場面に応じたマスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気、人との距離の確保など)が推奨されています。

会場のスペースによっては、人数制限を設ける葬儀社もあることにご留意ください。

まだ「納体袋」は必要?ご遺体の処置と感染対策のリアル

納体袋(非透過性バッグ)の使用基準

2023年のガイドライン改正により、非透過性納体袋への収容は必須ではなくなりました

適切な遺体処置(清拭、鼻孔や口腔や肛門等への詰め物、紙おむつの使用など)を行えば、体液等の漏出リスクを抑えられるため、通常の納棺が可能とされています。

ただし、医療機関や葬儀社の方針、遺体の状態によっては、現在も納体袋が使用されるケースがあることも事実です。

使用される場合でも、顔の部分が透明なタイプが主流となっており、対面でのお別れは可能なケースが多いとされています。

契約前に、葬儀社に「納体袋の使用方針」と「対面の可否」を必ず確認されることをお勧めします。

エンバーミング(死化粧・衛生保全処置)の有効性

エンバーミングとは、ご遺体の長期保全と感染リスクの低減を目的とした専門的な処置です。

体液を防腐剤入りの保全液に置き換えることで、感染リスクを大幅に低減し、生前に近いお姿でゆっくりお別れができるという利点があります。

費用は15万円〜20万円程度かかることが一般的ですが、「きちんとしたお別れをしたい」というご遺族様の心理的な満足度は高いとされています。

すべての葬儀社が対応しているわけではないため、希望される場合は早めに確認しましょう。

遺族(濃厚接触者)の葬儀参列ルール

2023年5月の5類移行により、濃厚接触者に対する外出自粛の法的義務はなくなりました

そのため、ご遺族が濃厚接触者であっても、葬儀に参列すること自体は制限されていません。

ただし、ご遺族ご自身が陽性の場合や体調不良の場合は、高齢の参列者への配慮として、参列を控えるかマスク着用等の対策を徹底することがマナーとされています。

コロナ死の葬儀にかかる費用と追加料金の相場

通常の葬儀費用との違い

基本的な葬儀プラン(祭壇、棺、霊柩車など)の費用は、通常の葬儀と変わりません

新型コロナウイルスで亡くなられた方の葬儀だからといって、プラン料金そのものが高額になるわけではありません。

ただし、葬儀社によっては「感染対策費」として追加料金が発生する場合があります。

「コロナ特別処置料」等の追加費用の内訳と相場

感染対策にかかる追加費用としては、以下のようなものがあるケースが報告されています。

防護具(PPE:個人防護具)の費用、消毒作業代、専用車両の使用料などで、数万円〜10万円程度の追加費用がかかることがあります。

一方で、これらの対策費用を「無料(通常料金内)」で対応する葬儀社も増えているのが実情です。

業者による対応の差が大きいため、見積もり時に「コロナ対応による追加費用の有無と金額」を必ず明確に確認することが重要です。

健康保険からの「葬祭費・埋葬料」給付について

新型コロナウイルスで亡くなられた場合でも、通常の死亡時と同様に健康保険からの給付が受けられます

故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は「葬祭費」(自治体により3万円〜7万円程度、東京23区は7万円、多くの自治体で5万円)が支給されます。

故人が社会保険(協会けんぽや健康保険組合)に加入していた場合は「埋葬料」(一律5万円、組合によっては付加給付あり)が支給されます。

申請期限は葬祭費が葬儀を行った日から2年以内、埋葬料が死亡日の翌日から2年以内ですので、申請漏れのないようご注意ください。

なお、新型コロナウイルス特有の補助金制度は設けられていません。

後悔しないために|コロナ対応可能な葬儀社選びの注意点

古い独自ルール(対面不可など)を持つ業者に注意

国のガイドラインは緩和されましたが、葬儀社や火葬場によっては独自の厳しいルール(対面拒否、火葬場入場制限など)を維持している場合があるのが実情です。

これは、施設の設備状況や方針によるものですが、ご遺族の希望と合わない可能性があります。

契約前に必ず確認し、納得できない場合は他の葬儀社にも相談されることをお勧めします。

依頼時に確認すべき「3つの質問」

葬儀社に電話相談される際は、以下の3点を必ず確認してください。

1. 「顔を見てお別れができますか?納体袋を使用する場合、顔の部分は透明ですか?」

2. 「通夜・告別式は通常通り行えますか?人数制限などはありますか?」

3. 「コロナ対応による追加費用は具体的にいくらですか?その内訳を教えてください」

これらの質問に対して、明確かつ誠実に回答してくれる葬儀社を選ぶことが、後悔のないお別れにつながります

よくある質問(Q&A)

Q. 亡くなった病院から直接火葬場へ行く必要がありますか?

いいえ、その必要はありません。

以前は、感染対策として病院から直接火葬場へ搬送するケースもありましたが、現在は一度ご自宅や葬儀社の安置施設へ搬送することが可能です。

適切な感染対策が講じられていれば、通常の葬儀と同様の流れで進めることができます。

Q. 参列者にはコロナで亡くなったことを伝えるべきですか?

法的な義務はありませんが、高齢の参列者や基礎疾患をお持ちの方が多い場合は、配慮として伝えることが望ましいと考えられます。

また、死因を伝えない場合でも、「感染対策を徹底した葬儀を行います」といった案内をすることで、参列者に安心していただけるケースが多いです。

ご遺族様の心情と参列者の安全の両面を考慮しながら、判断されることをお勧めします。

Q. 火葬後の収骨(お骨上げ)はできますか?

多くの火葬場で可能になっています。

新型コロナウイルスは100℃を超える温度で不活化するため、火葬後のお骨からの感染リスクはないとされています。

ただし、地域や火葬場によっては人数制限や時間短縮などの措置を継続している場合があるため、事前に確認されることをお勧めします。

【まとめ】制限は緩和されています。納得のいくお別れができる葬儀社を選びましょう

2023年5月の5類移行により、新型コロナウイルスで亡くなられた方の葬儀に関する制限は大幅に緩和されています。

対面でのお別れや通常通りの葬儀は原則可能になっており、「顔を見られない」「お骨になるまで会えない」という状況は、基本的には解消されました。

ただし、葬儀社や火葬場の方針には差があるため、事前の確認と、ご遺族様の希望に寄り添ってくれる葬儀社選びが非常に重要です。

費用面も、追加料金の有無や金額について明確な見積もりを取ることで、不安を解消できます。

「コロナだから」と諦めて、顔を見ずに火葬してしまうと、後々「もっとちゃんとお別れをしてあげればよかった」という深い後悔が残る可能性があります。

だからこそ、現在のガイドラインを正しく理解し、ご遺族様のお気持ちに真摯に寄り添ってくれる葬儀社に相談することが、最初の一歩となります。

まずは、コロナ対応の実績が豊富で、対面でのお別れを大切にしている葬儀社に相談してみましょう。

深夜・早朝でも対応してくれる窓口がありますので、どうか一人で悩まず、専門家の力を借りてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次