喪中はがきの書き方・出す時期・文例完全ガイド|マナー・注意点・寒中見舞いとの違いも解説【2026年最新】

身内が亡くなり、年賀状のシーズンが近づいてくると「喪中はがきを出さなければ」と気づいても、どう書けばいいのか、いつ出すべきなのか、迷う方がほとんどです。

喪中はがきは、「今年は近親者が亡くなったため、年始のご挨拶を遠慮させていただきます」とお伝えするための通知状です。

形式が決まっているようで、実際には「句読点は入れていいの?」「夫の父が亡くなった場合は誰の名義で出す?」「連名にする場合の書き方は?」など、細かい疑問が次々と出てきます。

この記事では、初めて喪中はがきを出す方に向けて、出す時期・書き方・文例・デザインの選び方・受け取った後の対応・寒中見舞いとの使い分けまで、一通り整理してお伝えします。

この記事を読めば、以下のことが分かります。

  • 喪中はがきをいつ出せばいいか(11月・12月の目安)
  • 父・母・夫・妻・祖父母など続柄別の文例
  • 縦書き・句読点なしなどの書き方ルール
  • 間に合わなかった場合の寒中見舞いの出し方
  • 喪中はがきを受け取ったときに何をすべきか

喪中はがきのマナーは、細かく見れば「地域や家によって慣習が異なる」部分もあります。この記事では一般的に広く行われているマナーをお伝えしますので、個別の状況については、ご家族や葬儀社・近隣の慣習もご参考にしてください。

※本記事は2026年3月時点の一般的なマナー・慣習に基づいた情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。

目次

1. 喪中はがきとは(意味・目的)

喪中はがきとは何か、まず基本を押さえておきましょう。

「なぜ出すのか」という目的を理解しておくと、文章の書き方や誰に出すべきかの判断がしやすくなります。

喪中はがきを出す意味と役割

喪中はがきは、近親者が亡くなったことを知人・友人・取引先に伝え、年始の挨拶(年賀状)を辞退する旨を通知するはがきです。

日本には、身内が亡くなった後の一定期間は慶事を控えるという「服喪(ふくも)」の慣習があります。

喪中の期間は「今年は喪中につき、年始の挨拶を遠慮させていただきます」という気持ちを事前に伝えることで、相手が年賀状を送ってこないよう配慮を促す役割があります。

言い換えれば、相手への気遣いとして出すものであり、「年賀状が来たら失礼」という意識よりも、「相手に余計な気を遣わせないために先にお知らせする」という意味合いが強いです。

喪中はがきを受け取った相手は、「ああ、今年はご不幸があったのか」と知り、年賀状の代わりに寒中見舞いや弔問などの形で気持ちを伝えることができます。

喪中はがきは義務ではありませんが、年賀状を例年やり取りしている方には出しておくのが一般的な礼儀とされています。

特に、故人と面識がある方・故人の訃報をまだ知らない可能性がある方には、丁寧にお知らせすることが大切です。

「喪中はがき」と「死亡通知」を混同される方もいらっしゃいますが、両者は別物です。

死亡通知は、訃報を知らせるために葬儀後すぐに出すものです。一方、喪中はがきは年末が近づいた11月ごろに「喪中であること」を知らせるもので、必ずしも訃報を知らせる目的で送るわけではありません。

たとえば春に亡くなった場合、ご親族や身近な方には当時すでに訃報をお伝えしているでしょうが、それでも年末には改めて喪中はがきを出すのが一般的です。

「もう知っているはずだから送らなくていい」と思う方もいますが、知っている方に対しても「今年は年賀状は控えます」という意思表示として喪中はがきを出すケースが多いです。

喪中の範囲(何親等まで?)

「喪中はがきを出す必要があるのは、どの範囲の親族が亡くなった場合か」という疑問は、多くの方が抱きます。

法律で明確に定められているわけではなく、一般的な目安として「2親等以内の親族」が亡くなった場合に喪中はがきを出すことが多いとされています。

親等別の続柄と喪中はがきを出す目安
親等 続柄の例 喪中はがきを出す目安
0親等 配偶者(夫・妻) 出すことが多い
1親等 父・母・子(息子・娘) 出すことが多い
2親等 祖父・祖母・兄弟・姉妹・孫 出すことが多い(家庭によって異なる)
3親等 おじ・おば・甥・姪・曽祖父母 出さないことが多い(喪主の場合は出す場合も)
4親等以上 いとこ など 通常は出さない

ただし、これはあくまでも一般的な目安です。

たとえば、祖父母や兄弟が亡くなっても、同居していなかった・関係が疎遠だったという場合は出さないご家庭もあります。

逆に、3親等の伯父(おじ)が亡くなった場合でも、自分が喪主を務めるほど深く関わっていた場合は喪中はがきを出す方もいらっしゃいます。

「故人との関係の深さ」と「自分の喪に服するお気持ちがあるかどうか」を基準に判断するのが現実的です。

また、配偶者の親族(義父・義母・義祖父母など)が亡くなった場合も、夫婦連名で年賀状を出しているケースでは喪中はがきを出すことが一般的です。

なお、「喪中の期間」については、続柄によって一般的な目安があります。

  • 配偶者・父母:13ヶ月程度(一般的に1年間)
  • 子・兄弟姉妹:90日〜1年程度
  • 祖父母:90〜150日程度

ただし、この期間は宗教・宗派・地域によって異なります。現代では「何ヶ月が喪中期間か」を厳格に守るよりも、「今年の年始の挨拶を控えたい」という意思表示として喪中はがきを出すことが多く、実際の慣習として定着しています。

「今年の12月中旬に亡くなった場合、来年の年末も喪中はがきを出すべきか」と悩む方もいらっしゃいます。

その場合、翌年の年末に喪中はがきを出すかどうかは個人の判断に委ねられていますが、1年以上前に亡くなっている場合は通常の年賀状を出して問題ないとされるケースが多いです。

喪中はがきを出さなかった場合

喪中はがきを出さなかった場合、相手は喪中と知らずに年賀状を送ってきます。

それ自体は相手の失礼にはなりませんし、受け取ることも問題ありません。

ただし、喪中はがきを出さずに相手から年賀状が届いた場合、そのままにしておくのはマナー上好ましくないとされています。

この場合は、松の内(1月7日)が明けてから「寒中見舞い」として「喪中のため年始のご挨拶を控えておりました」と返信するのが丁寧な対処法です。

喪中はがきを出す余裕がなかった場合・訃報が年末近くに重なった場合なども同様で、寒中見舞いで事後にお知らせする方法があります。

詳しくは後述の「寒中見舞いとの違い・使い分け」の章でご説明します。

また、「喪中なのに年賀状を出してしまった」という状況になるケースもあります。

自分が喪中であるにもかかわらず、年賀状を投函し終えた後で気づいた場合や、返礼として年賀状を送ってしまった場合も、取り消しは難しいため、松の内明けに寒中見舞いで「喪中であったにもかかわらず年始のご挨拶を差し上げてしまいました」と丁寧にフォローするのが現実的な対応です。

喪中はがきを出さなかったことそのものを過剰に気にする必要はありません。それより、相手への配慮として事後でも寒中見舞いでご連絡することのほうが大切です。

2. 喪中はがきを出す時期

喪中はがきをいつ出すかは、受け取る相手にとっても大切なポイントです。

早すぎても遅すぎても適切ではなく、相手が年賀状を書き始める前に届くことが大切です。

発送の適切な時期(11月〜12月初旬)

喪中はがきは、11月中旬から12月初旬(遅くとも12月上旬まで)に届くよう発送するのが一般的です。

年賀状の受付は通常12月15日前後から始まり、多くの方が12月中旬〜下旬にかけて年賀状を準備します。

そのため、相手が年賀状の準備を始める前の12月上旬までに届けることが最も丁寧とされています。

投函のタイミングとしては、11月15日〜12月5日ごろが多くの方が実践しているスケジュールです。

ただし、故人が亡くなった時期によって準備のタイミングが変わります。

  • 1月〜9月に亡くなった場合:11月に入ったら準備を始め、11月中旬〜下旬に発送するとよいでしょう
  • 10月以降に亡くなった場合:葬儀後の慌ただしい中での準備になりますが、できるだけ12月初旬までに発送するよう努めましょう
  • 12月初旬以降に亡くなった場合:喪中はがきの発送が間に合わない場合は、寒中見舞いで対応します

年末ギリギリの12月20日以降に喪中はがきを出すのは、相手がすでに年賀状を投函し終えている可能性が高く、かえって混乱を招くことがあるため、避けるのが無難です。

12月15日以降に発送する場合は、寒中見舞いに切り替えることも検討しましょう。

相手が年賀状を出した後に訃報を知った場合

こんな状況が起こることがあります。「先方がすでに年賀状を投函した後で、訃報が届いた」あるいは「喪中はがきを出したが、相手が郵便を見落とし年賀状が届いてしまった」というケースです。

このような場合、相手に非はありませんので、お詫びや責めるような言葉は不要です。

受け取った年賀状はそのまま受け取って問題ありません。

松の内(1月7日)が明けてから、寒中見舞いとして「喪中のため年始のご挨拶を差し控えておりました。お年賀のご挨拶をいただきありがとうございました」という内容で返信するのが丁寧な対応です。

相手もはがきを受け取ることで、「喪中だったのか」と分かり、不意に悲しい知らせを聞いても寒中見舞いという形で受け止めやすくなります。

喪中はがきが間に合わなかった場合の対応

年末に亡くなった場合・準備が間に合わなかった場合・12月初旬を過ぎてしまった場合は、喪中はがきを出すのではなく「寒中見舞い」として1月に出す方法が一般的です。

寒中見舞いは松の内(1月7日)明けから立春(2月4日ごろ)までに届けるのが目安です。

「喪中のため年始のご挨拶を控えておりました」という内容を加えることで、遅れたお知らせを丁寧にお伝えできます。

また、年賀状を受け取った相手へのお礼と、喪中であることの事後報告を兼ねることができるため、実際には寒中見舞いを選ぶケースも少なくありません。

3. 喪中はがきの書き方・文例

喪中はがきには、いくつかの書き方のルールと定型的な文章の流れがあります。

難しく考える必要はありませんが、形式を外しすぎると相手に違和感を与えることもあるため、基本のフォームを押さえておくと安心です。

基本的な文例(父・母・夫・妻・祖父母別)

喪中はがきの文章には、続柄によってやや異なる表現が使われます。

以下に、続柄別の代表的な文例をまとめます。

文例はあくまで参考です。実際には印刷サービスのテンプレートや、自分の言葉に合わせて多少アレンジしてかまいません。

■ 父が亡くなった場合

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

父 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます

令和○年○月

■ 母が亡くなった場合

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

母 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

本年中に賜りましたご厚誼に深謝申し上げますとともに
皆様のご健勝をお祈りいたします

令和○年○月

■ 夫が亡くなった場合(妻の名義で送る)

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

夫 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

生前に皆様から賜りましたご厚情に心よりお礼申し上げます

令和○年○月

■ 妻が亡くなった場合(夫の名義で送る)

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

妻 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

ここに本年中のご厚誼を厚く御礼申し上げます

令和○年○月

■ 祖父が亡くなった場合

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

祖父 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

本年中に賜りましたご芳情を深く感謝申し上げます

令和○年○月

■ 祖母が亡くなった場合

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

祖母 ○○が本年○月○日に享年○○歳にて永眠いたしました

本年中に賜りましたご厚情に深謝申し上げます

令和○年○月

文例の基本構成は以下のとおりです。

  1. 喪中であることの挨拶(年始挨拶を遠慮する旨)
  2. 故人の続柄・お名前・逝去月・享年
  3. 日ごろのご厚情への感謝
  4. 日付(令和○年○月 または 令和○年十一月 など)
  5. 差出人の住所・氏名

文例を選ぶ際に迷うのが、「どの言葉を選べばよいか」という点です。

「ご厚情」「ご厚誼(こうぎ)」「ご芳情」「ご交誼(こうぎ)」などはいずれも「日ごろのお付き合い・お心遣い」に対する感謝を表す言葉で、意味はほぼ同じです。どれを使っても問題ありません。

また、「永眠いたしました」「天寿を全ういたしました」「他界いたしました」など、表現は複数あります。

「永眠いたしました」は最も一般的で宗教色が薄い表現ですので、宗教・宗派を問わず広く使えます。

一方、「往生いたしました」「成仏いたしました」は仏教色が強いため、キリスト教や神道の方への喪中はがきでは避けるほうが無難です。

故人の氏名については、差出人(自分)から見た続柄で表記します。

たとえば、夫(差出人)からみた「妻の父」が亡くなった場合、「義父 ○○」と書くか、「妻の父 ○○」と書くと相手に伝わりやすいです。

「岳父(がくふ)」という表現もありますが、現代では読み方が分からない方もいるため、「義父」や「妻の父」を使うほうが親切な場合が多いです。

書き方のルール(縦書き・句読点なし・薄墨など)

喪中はがきには、一般的に守られているいくつかの書き方のルールがあります。

これらは「絶対に守らないと失礼」というほど厳格なものではありませんが、知っておくと迷わずに準備できるので確認しておきましょう。

【縦書きが基本】

喪中はがきは縦書きが正式とされています。

横書きが絶対にNGというわけではありませんが、縦書きのほうが改まった印象を与え、受け取る側も慣れた形式として受け取りやすいです。

印刷サービスを使う場合は、テンプレートの多くが縦書きになっています。

【句読点を使わない】

喪中はがきをはじめとした弔事関係の文書では、句読点(「、」「。」)を使わないのが一般的なマナーとされています。

句読点は文章の区切りを示すものですが、「弔事の文章に区切りを入れるのは縁起が悪い」という考え方から来ています。

改行や空白で文の区切りを表現するのが正式な書き方です。

【薄墨・グレーの印刷】

喪中はがきは、弔事の慣習から薄墨(うすずみ)や薄いグレーのインクで印刷することが多いです。

これは「涙で墨が薄まった」「突然のことで墨を十分に磨る時間がなかった」という心情を表すものとされています。

現代では印刷サービスで薄墨印刷のオプションが選べることが多く、一般的に広く使われています。

【年号は元号で書く】

差出人の日付は「令和○年○月」と元号で書くのが一般的です。

西暦を使う方もいますが、特にご年配の方への喪中はがきには元号を使うと、より丁寧な印象になります。

【故人の名前の表記】

故人のフルネームを記載するのが一般的ですが、名前のみ(下の名前だけ)とする場合もあります。

相手との関係性によって判断して問題ありません。

【「喪中につき〜」と「服喪中につき〜」の違い】

「喪中につき」と「服喪中につき」はほぼ同義で使われています。

「服喪中」はより文語的・改まった表現で、格式を重視する場合に使われることがあります。どちらを選んでも失礼にはなりません。

【添え書きはしない】

喪中はがきに「近況はいかがでしょうか」「今年もよろしくお願いします」などの添え書きは、本来の喪中の趣旨とそぐわないため避けるのが一般的です。

ただし、「どうかご自愛ください」「皆様のご健康をお祈りしております」といった相手の健康を気遣う言葉は、喪中はがきの末尾に添えても問題ないとされています。

連名で出す場合の書き方

夫婦連名で年賀状を出していた場合、喪中はがきも連名で出すことが多いです。

連名の場合は、差出人の名前を「筆頭者(世帯主など)」を右側に書き、配偶者の名前をその左側に書くのが基本的な形式です。

縦書きの場合:

○○ 太郎
花子

または

○○ 太郎・花子

子どもの名前も連名に入れる場合は、姓のあとに家族全員の名前を並べるスタイルがあります。

ただし、あまり多くの名前を並べると読みにくくなるため、子どもが成人している場合はそれぞれ個別に出すことも考えられます。

また、故人の続柄の書き方に注意が必要です。

たとえば「夫・太郎」「妻・花子」の連名で出す場合、「父 ○○」と書くと、一般的には筆頭者(夫)からみた父親を指します。

妻側の父親が亡くなった場合は「義父 ○○」と書くか、「妻の父 ○○」と明記するほうが相手に正確に伝わります。

同年に2人の近親者が亡くなった場合の書き方

同じ年に父と祖父が亡くなるなど、複数の故人がいる場合は、それぞれの続柄・お名前・享年を並べて記載するのが一般的です。

喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます

父 ○○が本年○月に享年○○歳にて
祖母 ○○が本年○月に享年○○歳にて
永眠いたしました

本年中のご厚情に深く感謝申し上げます

令和○年○月

複数の故人を記載する場合、文章が長くなりますが、省略せずにそれぞれきちんと記載するほうが丁寧な印象を与えます。

印刷サービスを使う際に複数故人への対応が可能かどうか、事前に確認しておくとスムーズです。

差出人の書き方(故人の名前の記載有無)

喪中はがきに故人のお名前を記載するかどうかは、記載するのが一般的です。

「誰が亡くなったのか」を伝えることで、相手が状況を理解しやすくなります。

特に、故人と面識がある方・故人と直接つながりがあった方への喪中はがきには、故人の名前と享年を記載することが丁寧な対応とされています。

一方、故人とは面識がなく、差出人(自分)との年賀状のやり取りで出す場合は、名前の記載を省略することもあります。

享年の書き方には「享年(きょうねん)」と「行年(ぎょうねん)」の2種類があります。

  • 享年:この世で生きた年数を数える(数え年で書く場合が多い)
  • 行年:同様の意味だが、現代では「満○○歳」とともに使われることも多い

どちらを使うかは地域や宗派の慣習によって異なります。

不安な場合は、葬儀社や菩提寺に確認するとよいでしょう。

故人の名前を書く場合、間違えると大変失礼になるため、漢字・年月日・享年は必ず事前に確認してから印刷・投函してください。

4. 喪中はがきのデザイン・印刷

喪中はがきのデザインは、故人を偲ぶ気持ちを表すものであり、派手すぎず落ち着いた印象のものを選ぶのが基本です。

デザインの選び方(色・絵柄・花)

喪中はがきのデザインには、いくつかの定番モチーフがあります。

よく使われるデザイン

  • 菊の花(白・薄紫など):弔事に使われることが多く、格式のある印象
  • 蓮の花(白・薄ピンクなど):仏教的なイメージ。浄土宗・浄土真宗など仏教系の方に使われることが多い
  • 胡蝶蘭(白):上品で広く使われるデザイン。宗教色が薄いため広く使いやすい
  • 山茶花(さざんか)・梅・百合:季節感があり柔らかい印象
  • 風景・水墨画調:シンプルで趣のあるデザイン。故人が自然を好んでいた場合などに
  • 無地・シンプル:文字のみ・控えめなデザイン。格式を重視する場合に

色のトーンは、グレー・薄紫・白・黒が基本です。

カラフルなデザインや華やかな色使いは避けるのが一般的マナーです。

故人が生前に好んでいた花や色を取り入れたデザインを選ぶ方もいらっしゃいます。

たとえば「母が桔梗(ききょう)を好きだったから桔梗柄にした」というような選び方も、故人への思いが込められた選択として温かく受け取られることが多いです。

ただし、あまりにも明るい色・花柄・にぎやかなデザインは喪中の趣旨に合わない印象を与える場合がありますので、落ち着いたトーンの範囲内で選ぶことをお勧めします。

また、宗派によって適切なデザインが異なる場合があります

たとえば、浄土真宗では「喪中」という概念がないとされることから、喪中はがきを出さず、「年始状」として別途対応する場合もあります。

キリスト教の場合は蓮の花など仏教色の強いデザインは避け、シンプルな花柄や十字架モチーフなどを選ぶことが多いです。

菩提寺の宗派が分かる場合は、その慣習も参考にするとよいでしょう。

迷う場合は、胡蝶蘭や梅など宗教色が薄く広く使われているデザインを選ぶのが無難です。

コンビニ・ネット印刷・手書きの比較

喪中はがきを準備する方法はいくつかあります。

それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

喪中はがき印刷方法の比較
方法 費用の目安 手間 おすすめの状況
コンビニ印刷(マルチコピー機) 1枚60〜80円程度 比較的少ない 少枚数・急いでいる・近くにネット環境がない
ネット印刷サービス 1枚30〜80円程度(枚数による) デザイン選択・入力の手間あり 枚数が多い・デザインにこだわりたい・時間に余裕がある
郵便局・文具店での印刷注文 1枚80〜150円程度 店舗に行く必要あり 慣れた方法で安心して頼みたい方
手書き はがき代のみ(63円〜) 手間が大きい 少枚数・特に親しい方への丁寧な一通として
自宅プリンター印刷 インク代+はがき代 印刷設定の手間あり 自分でデザインを調整したい・手元にプリンターがある

枚数が多い場合は、ネット印刷サービスがコストパフォーマンスに優れていることが多いです。

代表的なサービスとして「郵便局のネットスクウェア」「挨拶状ドットコム」「ラクスル」「ネットスクウェア」などがあり、テンプレートから選んで文章を入力するだけで印刷・発送まで依頼できます。

急ぎの場合や少枚数の場合はコンビニのマルチコピー機も手軽です。

セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなどの大手コンビニでは、はがき印刷に対応したマルチコピー機が設置されており、年末前は喪中はがき専用のデザインが用意されていることもあります。

手書きは手間がかかりますが、特に親しい方・お世話になった方への一通として、手書きで気持ちを伝えるのは非常に丁寧な印象を与えます。

ネット印刷サービスを選ぶ際のポイントをまとめます。

  • 納期の確認:注文から到着まで最短でも3〜5日かかるサービスが多い。11月初旬に注文すればゆとりを持てる
  • 枚数の変更可否:喪中はがきは急に枚数が変わることがある。追加注文のしやすさを確認しておくと安心
  • 差出人の宛名印刷:宛名印刷オプションがあるサービスも。枚数が多い場合は活用するとラク
  • 文章の校正確認:故人のお名前・享年・逝去月など、注文前に必ず誤字がないか確認する

喪中はがきは訂正が難しいため、印刷前のデータ確認を怠らないことが大切です。

5. 喪中はがきを受け取ったときの対応

喪中はがきを受け取った側の対応についても、押さえておきましょう。

相手が喪中であることを知ったとき、どう行動すれば相手への気遣いが伝わるのかをご説明します。

お悔やみの言葉の送り方

喪中はがきを受け取ったら、相手がご不幸を経験されたことへのお悔やみを伝えることが大切です。

ただし、「訃報を知っているはずなのに何も言ってこない」と感じさせないための配慮として、タイミングと内容に注意が必要です。

お悔やみの伝え方として一般的なもの

  • 寒中見舞いを送る:1月7日の松の内が明けてから送るのが一般的な方法
  • 弔問(ちょうもん):特に親しい場合は、直接お宅に伺ってお悔やみを伝える
  • 電話・メール・LINE:プライベートな関係の場合は、直接言葉をかける方法も自然
  • お線香を送る:遠方の場合などに、お線香や供花を郵送する方法もあります

寒中見舞いを送る場合の文例は、後述の「寒中見舞いとの違い・使い分け」の章でご紹介します。

注意したいのは、お悔やみの連絡をするタイミングです。

喪中はがきを受け取ってすぐに「ご愁傷様でした」と電話するのは、相手がまだ落ち着かない時期の場合、かえって負担になることがあります。

特に亡くなってから日が浅い場合は、連絡のタイミングを考えて、相手のご状況に合わせた配慮が大切です。

喪中はがきを受け取った後にお線香やお供え物を送ることを考える方もいらっしゃいますが、お送りする前に相手のご都合・ご意向を確認するのが丁寧です。

お線香を送る際は「御仏前」「御供」などの熨斗(のし)を付けるのが一般的ですが、宗派によってはお線香を使わない場合もあるため、確認が取れない場合は寒中見舞いと手紙でお気持ちをお伝えする方法が安心です。

喪中の方への年賀状は送っていいか

「喪中はがきをもらったけれど、年賀状は出していいの?」という疑問は非常に多いです。

基本的には、喪中はがきをもらった相手へ年賀状を送ることは控えるのが一般的なマナーとされています。

相手が「今年は喪中のため年始の挨拶を遠慮したい」と伝えてきているため、年賀状を送ってしまうと、お祝いの言葉が喪中の方の気持ちに沿わない場合があります。

代わりに、松の内(1月7日)明けに寒中見舞いを送るのが、喪中の方への丁寧な対応です。

寒中見舞いには「喪中と存じ、年始のご挨拶は差し控えました」「ご服喪中のことと存じ、年賀のご挨拶は失礼させていただきました」などの一文を加えると、相手へのさりげない気遣いが伝わります。

なお、「年賀状を送ってもいい」と明示している方・非宗教的な立場で喪中にこだわらない方もいらっしゃいますので、相手との関係性をよく考えて判断することが大切です。

職場の関係者・取引先など仕事上のお付き合いがある相手の場合、個人的な喪中よりも業務上の年始挨拶を優先することもあります。

その場合、個人の年始挨拶は控えつつも、会社名義での年賀状・挨拶メールは別途送ることもあります。個人の喪中と仕事上の慣習を分けて考えると整理しやすいでしょう。

6. 寒中見舞いとの違い・使い分け

喪中はがきと混同されやすいのが「寒中見舞い」です。

両者の使い分けを整理しておきましょう。

喪中はがきは「年賀状を遠慮させていただく旨を事前にお知らせするもの」です。

寒中見舞いは「寒い時期に相手の健康を気遣って送るもの」が本来の意味ですが、現代では喪中関連の事後報告や返礼として広く活用されています。

寒中見舞いを出すタイミング・文例

寒中見舞いを出すタイミングは、松の内(1月7日)が明けてから立春(2月4日ごろ)までが目安です。

使われる主なシーン

  • 喪中はがきを出すタイミングを逃した場合の事後報告
  • 喪中の方から年賀状が届いた(または届かなかった)際の返信
  • 喪中であることを知らずに年賀状を送ってしまった相手への詫び状
  • 喪中の方への年始の挨拶(年賀状の代わりとして)

■ 寒中見舞い文例(喪中で年賀状を出せなかった場合)

寒中お見舞い申し上げます

昨年○月に父 ○○が永眠いたしました
喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げます

寒い日が続きますが 皆様どうぞご自愛ください

令和○年○月

■ 寒中見舞い文例(喪中の方へ送る場合)

寒中お見舞い申し上げます

ご服喪中のことと存じ 年始のご挨拶を差し控えておりました
昨年中のご厚情に深く感謝申し上げます
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

令和○年○月

寒中見舞いには、年賀状のような「おめでとうございます」という慶賀の言葉は使わず、「寒中お見舞い申し上げます」という書き出しで始めるのがマナーです。

絵柄も年賀状のような華やかなものではなく、冬の景色・花・シンプルなデザインを選ぶのが一般的です。

また、寒中見舞いは「官製はがき(通常はがき)」を使います。

年賀状用のはがき(年賀はがき)は使わないよう注意しましょう。

郵便局で購入できる通常のはがき(63円)に、寒中見舞いの文章を印刷または手書きで記入して送ります。

喪中はがきと寒中見舞いの違いまとめ
項目 喪中はがき 寒中見舞い
出す時期 11月中旬〜12月初旬 松の内(1月7日)明け〜立春(2月4日ごろ)
目的 年始の挨拶を控える旨を事前通知 喪中の事後報告・年賀状への返礼・相手への挨拶
使用するはがき 通常はがき(私製はがきも可) 通常はがき(年賀はがきは使わない)
書き出しの言葉 「喪中につき〜」 「寒中お見舞い申し上げます」
デザイン 菊・蓮・胡蝶蘭など落ち着いたもの 冬の花・景色・シンプルなもの

「喪中はがきを出すのが遅くなってしまった」と気づいた場合、無理に喪中はがきとして送るより、松の内明けに寒中見舞いとして送るほうがスムーズに対応できます。

寒中見舞いは「遅れたお知らせ」としても十分に機能しますので、柔軟に活用してください。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 喪中はがきを出す範囲はどこまでですか?

年賀状を例年やり取りしている全ての方に出すのが基本ですが、特に故人と面識がある方・仕事上のお付き合いがある方には出すほうが丁寧です。

一方で、普段から年賀状のやり取りがない方・関係が疎遠な方には出さないケースも多いです。

「誰に出すか」の判断は、年賀状リストを確認しながら、実際のお付き合いの深さを基準に決めるとよいでしょう。

上司・取引先など仕事関係の方には、個人の喪中をお知らせしながらも業務上の年始挨拶については別途確認することをお勧めします。

Q2. 喪中はがきを出す前に相手から年賀状が届いてしまいました。どうすればいいですか?

相手は喪中と知らずに送ってくれたものですので、受け取ること自体は全く問題ありません。

年賀状をいただいたことへのお礼と、喪中であった旨を伝えるために、松の内(1月7日)が明けてから寒中見舞いを送るのが一般的な対応です。

「喪中のため年始のご挨拶を差し控えておりました。お年賀のご挨拶をありがとうございました」という内容を含めた寒中見舞いを送ると、相手への気遣いが伝わります。

Q3. 喪中はがきには「故人の名前」を必ず書かなければなりませんか?

必ず書かなければならないという決まりはありませんが、故人の続柄・お名前・享年を記載するのが一般的です。

故人と面識がある相手への喪中はがきには、名前を明記するほうが相手に伝わりやすく、丁寧な対応といえます。

一方、故人とはつながりがなく自分(差出人)とのお付き合いとして出す相手には、名前を省略しシンプルに「近親者が永眠いたしました」とする書き方も使われることがあります。

Q4. 喪中はがきはいつまでに準備しておくべきですか?

11月中旬から遅くとも12月初旬には投函を終えるのが理想です。

準備のスケジュールとしては、10月末〜11月初旬に印刷の手配を開始し、11月中旬〜下旬に発送するとゆとりを持った対応ができます。

ネット印刷サービスを利用する場合は、印刷から配送まで数日〜1週間程度かかる場合があるため、余裕を持ってオーダーするとよいでしょう。

12月15日を過ぎると年賀状の印刷・投函が本格化するため、それまでに相手の手元に届けることを目安にしてください。

Q5. 離婚した元配偶者が亡くなった場合、喪中はがきを出す必要はありますか?

法的には離婚により親族関係は解消されるため、一般的には喪中はがきを出す必要はないとされています。

ただし、子どもがいる場合・長年のお付き合いがある共通の知人がいる場合は、状況に応じて個別に判断することになります。

子どもの立場では、親が亡くなれば喪中として対応することが多いです。このような複雑な状況については、身近なご家族や葬儀社などに相談されることをお勧めします。

8. まとめ

喪中はがきは、身内を亡くした後の悲しいなか、年始の挨拶を辞退する旨を相手に伝えるための大切な通知状です。

初めて出す方にとって「いつ?どう書く?」という疑問は多いですが、基本のルールを押さえれば決して難しいものではありません。

この記事で確認した主なポイントをまとめます。

  • 出す時期は11月中旬〜12月初旬が目安。相手が年賀状を書き始める前に届けるのが基本
  • 喪中の範囲は一般的に2親等以内が目安だが、故人との関係性によって判断する
  • 書き方のルールは、縦書き・句読点なし・薄墨印刷が一般的。形式より心が大切
  • 文例は続柄によって異なるが、「喪中挨拶→故人の情報→感謝の言葉→日付」の流れが基本
  • 連名の場合は、続柄の表記(義父・義母など)に注意する
  • 同年に複数の故人がいる場合は、それぞれの続柄・お名前・享年を並べて記載する
  • デザインは落ち着いた色・菊や胡蝶蘭などの定番モチーフを選ぶのが一般的
  • 印刷方法はネット印刷が多枚数・コストの面でおすすめ。急ぎはコンビニでも対応可能
  • 間に合わなかった場合は寒中見舞い(松の内明け〜立春まで)で対応する
  • 受け取った側は年賀状を控え、松の内明けに寒中見舞いを送るのが丁寧な対応

この記事でお伝えしたことを振り返ると、喪中はがきに関するお悩みの多くは「形式が分からない」「誰に出すべきか迷う」「間に合わなかったらどうする」の3つに集約されます。

形式については、この記事で紹介した文例と書き方のルールを参考にしていただければ、大きく外れることはありません。

誰に出すかについては、「年賀状のやり取りがある方」「故人と面識がある方」を基本として、悩む場合は出す方向で判断するとよいでしょう。出し過ぎてもマナー違反にはなりません。

間に合わなかった場合は、寒中見舞いという選択肢があります。「松の内明けに送る」という対応があることを知っておくだけで、年末の焦りが少し和らぐはずです。

喪中はがきのマナーは「こうしなければならない」という厳格なルールではなく、相手への気遣いと、故人を思う気持ちが根底にあるものです。

完璧な形式にこだわるより、「相手に失礼のないように」「故人への感謝を形にする」という気持ちで準備することが、最も大切なことかもしれません。

地域や宗派、ご家庭の慣習によって対応が異なることもありますので、迷った場合は葬儀社や菩提寺、ご家族に相談しながら進めると安心です。

また、喪中はがきの準備は、年末の慌ただしい時期に重なることが多く、心身ともに疲弊しているなかで行う作業です。

葬儀後の手続きや各種の届け出が続き、精神的にも体力的にも消耗している中での準備になることも少なくありません。

ひとりで抱え込まず、ご家族や印刷サービスのサポートも活用しながら、ご自身のペースで無理のない範囲で進めてください。

大切な方を亡くされた方々が、少しでも穏やかな時間の中で新年を迎えられることを願っております。


※本記事は一般的なマナー・慣習に基づいた情報提供を目的としており、個別の宗教・宗派・地域の慣習についての具体的なアドバイスではありません。個別の状況については、葬儀社・菩提寺・ご家族にご相談ください。

※本記事は2026年3月時点の情報をもとに執筆しています。

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