遺族年金の受給条件・金額・手続きをわかりやすく解説【2024年最新】

遺族年金の受給条件・金額・手続きをわかりやすく解説【2024年最新】

配偶者や親が亡くなった後、「遺族年金はもらえるのだろうか」と不安になる方は少なくありません。遺族年金は、亡くなった方が年金に加入していた場合に遺族が受け取れる公的な生活保障ですが、受給できる条件や金額は複雑で、「自分は対象になるのか」「どれくらい受け取れるのか」が分かりにくいと感じる方がほとんどです。

この記事では、遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いから、受給条件・金額の計算方法・申請手続きまで、順を追って詳しく解説します。再婚した場合や内縁関係の場合など、よくある疑問にも回答しています。手続きに必要な書類一覧も掲載していますので、このページを読めば遺族年金の全体像が把握できます。

  • 遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いと仕組み
  • 受給条件(子の要件・年収制限)の詳細
  • 金額の計算方法と目安
  • 申請手続きと必要書類の一覧
  • 再婚・内縁・離婚などよくある疑問への回答
目次

遺族年金とは?基礎知識をわかりやすく解説

遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた方が亡くなった際に、その遺族が受け取ることができる公的年金給付です。遺族の生活を支えることを目的とした制度で、日本の社会保障制度の中核を担っています。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。どちらを受け取れるかは、亡くなった方の年金加入状況によって決まります。国民年金のみに加入していた方が亡くなった場合は遺族基礎年金のみ、厚生年金にも加入していた場合は遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金も受給できる可能性があります。

年金の仕組みは「2階建て」と表現されることがあります。1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金です。遺族年金もこの構造に対応しており、1階部分が「遺族基礎年金」、2階部分が「遺族厚生年金」となっています。

遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い

遺族基礎年金と遺族厚生年金は、受給できる遺族の範囲と金額の計算方法が大きく異なります。

項目 遺族基礎年金 遺族厚生年金
根拠となる年金 国民年金 厚生年金
受給できる遺族 子のある配偶者・子 配偶者・子・父母・孫・祖父母
子の年齢要件 18歳到達年度末まで(障害は20歳未満) 18歳到達年度末まで(障害は20歳未満)
金額の基準 定額(基本額+子の加算) 亡くなった方の報酬額・加入期間に連動
子のいない配偶者 受給不可 受給可(ただし年齢条件あり)

遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」のみが受給できる点が大きな特徴です。子どものいない配偶者は遺族基礎年金を受け取ることができません。一方、遺族厚生年金は受給できる遺族の範囲が広く、子のいない妻・夫も対象になる場合があります。

厚生年金に加入していた方が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる可能性があるため、受給額は国民年金のみの場合と比べて大きくなります。

遺族年金が支給される「生計維持関係」とは

遺族年金を受け取るためには、亡くなった方と受給者の間に「生計維持関係」があることが要件の一つとして求められます。生計維持関係とは、亡くなった方と生計を同じくし、その収入によって生活を維持していた関係を指します。

具体的には、亡くなった方と生計を共にしていた(同居または別居でも仕送りを受けていた)こと、かつ受給者の前年の年収が850万円未満(または年間所得が655万5,000円未満)であることが必要です。この年収基準は、2024年現在の日本年金機構の基準に基づいています。

単に戸籍上の家族であるだけでは不十分で、実際の生計関係の実態が問われます。別居していた場合でも、定期的に仕送りを受けていた事実があれば生計維持関係として認められる場合があります。一方、同居していても家計を完全に別にしていた場合は、認められないケースもあります。

遺族基礎年金の受給条件を詳しく解説

遺族基礎年金は、国民年金の加入者または老齢基礎年金の受給資格期間(25年以上)を満たした方が亡くなった場合に支給される年金です。受給できる対象者と条件について詳しく見ていきます。

亡くなった方の保険料納付要件

遺族年金を受け取るには、亡くなった方が一定の保険料納付実績を持っていることが前提条件となります。以下のいずれかを満たしている必要があります。

  1. 国民年金の被保険者であった期間のうち、保険料納付済み期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上あること
  2. 死亡日が2026年(令和8年)3月31日以前の場合、死亡日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(特例措置)
  3. 老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たしていること

保険料を長期間未納にしていた場合、遺族は遺族年金を受け取れない可能性があります。保険料の未納状況は、日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。生前に保険料の納付状況を確認しておくことが、遺族への備えとなります。

遺族基礎年金を受給できる遺族の範囲と子の要件

遺族基礎年金を受給できるのは、亡くなった方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。ここでいう「子」には以下の年齢・状態要件があります。

  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級に該当する子

「子のある配偶者」とは、上記の要件を満たす子と生計を同じくしている配偶者(法律上の婚姻関係)を指します。配偶者が受給する場合、その子が上記の要件を満たしている間のみ遺族基礎年金が支給されます。子が要件を満たさなくなった時点(18歳到達年度末に達した場合など)で支給は停止されます。

子が2人以上いる場合は「子の加算額」が上乗せされるため、受給額が増加します。2024年度の子の加算額は、2人目まで各234,800円(年額)、3人目以降は各78,300円(年額)です。子の人数に応じて受給額が変わるため、正確な金額は日本年金機構に確認することをお勧めします。

年収制限(生計維持関係の所得要件)

遺族年金を受給するためには、受給者の年収が一定基準以下である必要があります。前述のとおり、前年の収入が850万円未満(または年間所得が655万5,000円未満)であることが求められます。

この年収制限は、高所得者への年金支給を制限するために設けられています。共働き世帯で配偶者が高収入の場合、受給できないケースがあります。ただし、将来の収入が増加することが見込まれる場合(例:現在は高収入だが定年退職が近い場合)については、個別に判断されることがあります。

なお、年収の確認は死亡時点の前年の収入で判断されます。申請時には源泉徴収票や確定申告書の写しが必要となります。

遺族厚生年金の受給条件を詳しく解説

遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または受給者が亡くなった場合に、その遺族に支給される年金です。遺族基礎年金に比べて受給できる遺族の範囲が広く、子のいない配偶者や父母・祖父母も対象となる場合があります。

遺族厚生年金の対象者と優先順位

遺族厚生年金を受給できる遺族には、優先順位が設けられています。上位の順位の方がいる場合、下位の方は受給できません。

  1. 第1順位:配偶者・子
  2. 第2順位:父母
  3. 第3順位:孫
  4. 第4順位:祖父母

配偶者が受給する場合、妻については年齢制限はありませんが、夫の場合は亡くなった時点で55歳以上であることが必要です(支給は60歳から)。ただし、夫が遺族基礎年金も受給できる場合は60歳前でも遺族厚生年金が支給されます。

子のいない30歳未満の妻については、遺族厚生年金の受給期間が5年間に制限されています。この点は見落とされがちなため、注意が必要です。30歳以上の配偶者については年齢による期間制限はありません。

中高齢寡婦加算とは

遺族厚生年金には、「中高齢寡婦加算」という特別な加算制度があります。これは、40歳以上65歳未満の子のない妻(または子が要件を満たさなくなった妻)に対して、遺族厚生年金に上乗せして支給される加算です。

2024年度の中高齢寡婦加算額は年額612,000円です。これは、子どもがいない高齢の妻が遺族基礎年金を受け取れないことへの救済措置として設けられています。65歳になると妻自身の老齢基礎年金が受給できるようになるため、中高齢寡婦加算は65歳で終了します。

中高齢寡婦加算は、子のいない40〜64歳の妻にとって生活費の重要な支えとなる制度です。自分が対象かどうかを早めに確認しておくことをお勧めします。

遺族年金の金額計算方法と受給額の目安

遺族年金の金額は、年金の種類によって計算方法が異なります。ここでは2024年度の数値をもとに、実際の計算例も交えて解説します。

遺族基礎年金の金額計算

遺族基礎年金の金額は、定額の基本額に子の加算額を足したものになります。2024年度の金額は以下のとおりです。

内訳 年額(2024年度)
基本額 816,000円
子の加算(1人目・2人目) 各234,800円
子の加算(3人目以降) 各78,300円

例えば、子が2人いる配偶者が受給する場合の年額は、816,000円+234,800円×2=1,285,600円(月額換算で約107,133円)となります。子が3人いる場合はさらに78,300円が加算されます。

なお、子が遺族基礎年金を受給する場合(配偶者が既に亡くなっているか受給権がない場合)は、子1人あたりの基本額816,000円に、2人目以降の子の加算が加えられます。

遺族厚生年金の金額計算

遺族厚生年金の金額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。報酬比例部分とは、会社員として働いていた期間の給与額(標準報酬月額)と加入期間をもとに計算される部分です。

計算式(平成15年4月以降の加入期間がある場合):

報酬比例部分=(平均標準報酬額×5.481÷1,000×加入月数)×(受給率)

ただし、実際の計算は複雑で、平成15年3月以前の加入期間がある場合は別途計算が必要です。おおよその目安として、標準報酬月額30万円で40年加入した場合の報酬比例部分は約150万円程度とされています(計算式の簡略適用)。遺族厚生年金はその4分の3ですので、約112万5,000円が目安となります。正確な金額は日本年金機構に「年金請求書」の提出後に確定されます。

加入期間が25年未満の場合は、25年(300月)として計算した金額が最低保証として適用されます(最低保証額制度)。

厚生年金と基礎年金の合算受給額の目安

厚生年金に加入していた方が亡くなり、子のある配偶者が受給する場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されます。

例として、平均的な会社員(標準報酬月額30万円・加入30年)が亡くなり、子が1人いる配偶者が受給する場合の目安は以下のとおりです。

年金の種類 年額の目安
遺族基礎年金(基本額+子1人) 約1,050,800円
遺族厚生年金(報酬比例部分の3/4) 約843,750円
合計 約1,894,550円(月額約157,879円)

この金額はあくまで試算であり、実際の受給額は亡くなった方の年金加入記録によって大きく変わります。日本年金機構の「ねんきんネット」サービスを利用すると、より精度の高い試算ができます。

遺族年金の申請手続きと必要書類

遺族年金の申請は、亡くなった方が加入していた年金制度や受給者の状況に応じて、手続き先や必要書類が異なります。ここでは一般的な手続きの流れと必要書類を解説します。

申請先と申請のタイミング

遺族年金の申請先は以下のとおりです。

  • 国民年金のみ加入の場合:市区町村の窓口
  • 厚生年金(会社員・公務員)加入の場合:年金事務所または街角の年金相談センター

申請のタイミングについては、遺族年金の受給権は亡くなった日の翌月分から発生しますが、申請(請求)から5年を経過すると時効によって受け取れなくなる部分が生じます。できるだけ早めに手続きを行うことが重要です。

死亡届の提出(通常7日以内)、葬儀の準備などで手が回らない場合でも、年金事務所に「受給権があることの確認」だけでも早めに行っておくと安心です。

申請に必要な書類一覧

遺族年金の請求に必要な主な書類は以下のとおりです。状況によって追加書類が必要になる場合があります。

書類名 入手先
年金請求書 年金事務所・市区町村窓口
死亡診断書(死体検案書)のコピー 病院・医師
戸籍謄本(全部事項証明書) 市区町村役場
世帯全員の住民票(続柄記載) 市区町村役場
請求者の収入を確認できる書類(源泉徴収票等) 勤務先・税務署
亡くなった方の年金手帳(基礎年金番号通知書) 手元に保管
請求者の銀行口座が分かるもの(通帳等) 手元に保管
子がいる場合:子の在学証明書等 学校

なお、会社員が亡くなった場合は、勤務先の人事・総務部門が年金手続きをサポートしてくれる場合があります。また、社会保険労務士に手続きを依頼することも可能です(費用は数万円程度が目安)。

手続きの流れ(ステップ解説)

遺族年金の申請は、以下の流れで進めると比較的スムーズです。

  1. 死亡の事実を年金事務所に連絡(電話でも可)
  2. 年金請求書を入手する
  3. 必要書類を収集する(戸籍謄本・住民票等)
  4. 収入を確認できる書類を準備する
  5. 年金請求書に必要事項を記入する
  6. 年金事務所または市区町村窓口に書類を提出する
  7. 審査(数週間〜数か月)
  8. 年金証書の交付・振込開始

手続きから実際に振込が開始されるまでには、通常2〜3か月程度かかることが多いです。生活費に不安がある場合は、市区町村の生活支援窓口や社会福祉協議会に相談することも一つの選択肢です。

遺族年金でよくある疑問・ケース別回答

遺族年金に関しては、実際の状況によって複雑なケースも少なくありません。ここでは特によく寄せられる疑問にお答えします。

再婚した場合、遺族年金はどうなる?

遺族年金を受給中に再婚した場合、遺族年金の受給権は消滅します。これは、民法上の婚姻関係が成立した時点で自動的に適用されます。内縁関係(事実婚)も婚姻に準じる場合があり、事実上の配偶者となった時点で受給権が消滅する可能性があります。

再婚後に受け取った分については、受給権消滅後であれば返還を求められる場合があります。再婚を検討している場合は、事前に年金事務所に確認することをお勧めします。

なお、再婚後に再び配偶者を亡くした場合は、再婚後の配偶者に関する遺族年金の受給権が発生する場合があります(前の配偶者に関する遺族年金は復活しません)。

内縁(事実婚)の場合は受給できる?

内縁関係(事実婚)の場合でも、一定の条件を満たせば遺族年金を受給できる場合があります。日本年金機構では、内縁関係を「事実上の配偶者」として認めており、法律上の婚姻と同等の扱いをする場合があります。

認められるための主な条件は以下のとおりです。

  • 互いに婚姻の意思があること
  • 共同生活の実態があること(同居が基本)
  • 法律上の婚姻障害がないこと(他に配偶者がいないなど)

内縁関係の証明には、住民票の続柄記載(「妻(未届)」等)や生命保険の受取人指定など、関係の実態を示す複数の証拠が必要です。申請時には、関係の実態を証明する書類(同居していたことを示す書類・互いを受取人とした保険証券等)の提出が求められます。認定が難しいケースでは、社会保険労務士に相談することを検討してみてください。

離婚後に元配偶者が亡くなった場合は?

離婚が成立している場合、元配偶者との法律上の婚姻関係は終了しているため、原則として遺族年金を受給することはできません。離婚後は他人となるため、生計維持関係も認められません。

ただし、離婚した元配偶者との間の子どもが遺族年金の受給要件を満たす場合、子ども自身が遺族年金を受給できる可能性があります。この場合、子どもの法定代理人(親権者)が手続きを行うことになります。

共働きで妻の年収が850万円以上の場合は?

受給者の前年の収入が850万円以上(または所得655万5,000円以上)の場合、生計維持関係が認められず遺族年金を受給できません。ただし、一時的に高収入であっても将来的に収入が減少することが確実な場合(例:妊娠・出産による退職予定など)は、例外的に認められる場合があります。

高収入のために遺族年金を受給できない場合でも、死亡保険や企業年金など他の制度で備えることが重要です。ライフプランを見直す機会として捉え、ファイナンシャルプランナーへの相談も検討してみてください。

子供が障害を持っている場合の特例

20歳未満の子どもが、障害年金の障害等級1級または2級に該当する場合は、通常の18歳到達年度末という要件が緩和され、20歳未満まで「子の要件」を満たし続けます。これにより、親が亡くなった場合も遺族基礎年金の受給が継続されます。

障害の認定は、医師の診断書と日本年金機構による審査で決定されます。既に障害基礎年金を受給している場合は、その障害等級が判断基準となります。

遺族年金の注意点と見落としがちなポイント

遺族年金の手続きにあたって、多くの方が見落とされがちな点や注意すべき点をまとめました。

「未支給年金」の請求を忘れずに

亡くなった方が老齢年金や障害年金を受給していた場合、死亡月分まで(または前月分まで)の未払い年金が残っている場合があります。これを「未支給年金」と呼び、遺族が請求することができます。

未支給年金を受け取れる遺族の範囲は遺族年金より広く、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(同順位は均等分割)が対象です。また、未支給年金は受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象となります(ただし一定額まで非課税の場合があります)。

未支給年金の請求期限は亡くなってから5年以内です。遺族年金の請求と同時に手続きを行うことが効率的です。

遺族年金と老齢年金の併給調整

65歳以降、遺族年金を受給している方が自分の老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)の受給資格を得た場合、原則として2つの年金を同時に受給することはできません(年金の「一人一年金の原則」)。

ただし、例外として「老齢基礎年金+遺族厚生年金」の組み合わせは受給可能です。また、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金が重複する場合は、自分の老齢厚生年金が優先的に支給され、遺族厚生年金は差額分のみが支給される調整が行われます。

65歳になったタイミングで、どの年金の組み合わせが最も有利かを年金事務所に相談することをお勧めします。受給する年金の選択によって受給総額が大きく変わる場合があります。

所得税・住民税の取り扱い

遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は、所得税の非課税所得です(所得税法第9条第1項第15号)。したがって、遺族年金を受け取っても所得税・住民税はかかりません。確定申告も不要です。

ただし、遺族年金以外の収入(パート収入・老齢年金・不動産収入など)がある場合は、それらについて通常どおり課税されます。生計全体の税金については、税理士や税務署に確認することをお勧めします。

専門家(社会保険労務士・弁護士)に相談すべきケース

遺族年金の手続きは、基本的には遺族本人が行えるものですが、状況によっては専門家のサポートを得た方がスムーズに進む場合があります。

専門家への相談を検討すべき状況

  • 内縁関係や複雑な家族関係がある場合
  • 亡くなった方の年金加入記録に疑問がある場合
  • 年金事務所の対応に疑問・不満がある場合(不支給決定を受けた場合など)
  • 遺産分割・相続と年金の手続きを同時に行う必要がある場合
  • 障害のある子の認定手続きが必要な場合

遺族年金の手続きは社会保険労務士が専門とする分野です。不支給決定に対して審査請求(不服申立て)を行う場合も、社会保険労務士や弁護士のサポートが有効です。

相談先と費用の目安

相談先 費用目安 向いているケース
年金事務所・市区町村窓口 無料 一般的な手続き確認
社会保険労務士 手続き代行:3〜10万円程度 複雑な手続き・審査請求
弁護士 初回相談:5,000〜1万円程度 不服申立て・法的争いがある場合
市区町村の無料相談会 無料 まず概要を把握したい場合

なお、日本年金機構の「ねんきんダイヤル(0570-05-1165)」でも電話相談が可能です。平日8:30〜17:15(月曜は19:00まで)に対応しています。

遺族年金に関する最新の制度動向と注意点

遺族年金の制度は、社会情勢の変化に合わせて定期的に見直しが行われています。2024年以降に予定されている主な制度変更について解説します。

遺族厚生年金の見直し議論(2025年以降)

厚生労働省は、遺族厚生年金の受給要件を見直す議論を進めています。現行制度では、子のいない配偶者に対する受給条件に男女差があり(夫は55歳以上が要件、妻は年齢制限なし)、この男女格差の解消に向けた検討が行われています。

議論されている主な変更の方向性は、子のいない配偶者への遺族厚生年金の有期化(5年程度)です。ただし、これはあくまで議論の段階であり、2024年時点では法律上の変更はありません。制度変更が確定した際には、経過措置が設けられる見込みとされています。

制度変更に備えるためにも、遺族年金だけに頼らず、個人年金保険・iDeCo・NISAなど複数の老後資金の準備手段を組み合わせることが重要と考えられます。

年金制度全体の改正スケジュール

年金制度は5年に1度の財政検証に基づいて見直しが行われます。2024年の財政検証結果を踏まえ、2025年の通常国会に改正法案が提出される見通しとなっています。具体的な改正内容は確定次第、厚生労働省や日本年金機構の公式サイトで確認することをお勧めします。

制度変更の情報は日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)や厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/)の公式情報で随時確認することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q1:遺族年金はいつから受け取れますか?

遺族年金の受給権は、亡くなった方が亡くなった日の翌月から発生します。ただし、実際に振込が始まるまでには申請から2〜3か月程度かかることが多いです。年金は偶数月に2か月分ずつ支給されます。早めの申請が重要です。

Q2:遺族年金の申請に期限はありますか?

遺族年金の請求権は5年の時効があります。亡くなってから5年以上経過すると、時効を過ぎた期間の受給ができなくなります。ただし受給権自体は消滅しないため、申請自体は5年以上経過後でも可能です。できるだけ早めに手続きを行うことをお勧めします。

Q3:子が18歳になったら遺族基礎年金はなくなりますか?

子が18歳到達年度の末日(3月31日)を迎えると、子の要件を満たさなくなるため、遺族基礎年金は停止されます。子のいない配偶者となった場合でも、40〜64歳の妻であれば中高齢寡婦加算が付いた遺族厚生年金を受給できる場合があります。年金事務所に確認することをお勧めします。

Q4:自営業者(国民年金のみ加入)が亡くなった場合、いくら受け取れますか?

自営業者の場合、厚生年金への加入がないため遺族厚生年金は支給されません。受給できるのは遺族基礎年金のみとなります。子が1人いる場合の年額は1,050,800円(月額約87,567円)が目安です(2024年度)。子がいない場合は遺族基礎年金を受給できない点に注意が必要です。

Q5:遺族年金の受給中に働いても問題ありませんか?

遺族年金を受給しながら働くことは基本的に問題ありません。ただし、働くことで年収が850万円以上になると生計維持関係が認められなくなり、受給権に影響する場合があります。また、老齢厚生年金の受給が始まった後は、在職老齢年金制度による調整が行われる場合があります。年金事務所に確認することをお勧めします。

Q6:夫が亡くなり、専業主婦の妻が受給できる遺族年金の目安は?

夫が会社員(厚生年金加入)で子が1人いる場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の合計で月10万〜17万円程度が目安となります(夫の報酬・加入期間による)。子がいない場合は遺族基礎年金が受給できないため、受給額は遺族厚生年金のみとなります。正確な金額は日本年金機構に問い合わせることをお勧めします。

まとめ:遺族年金を確実に受給するためのポイント

遺族年金は、大切な方を亡くした後の生活を支える重要な制度です。ここで重要なポイントをまとめます。

  • 遺族年金には「遺族基礎年金」(国民年金)と「遺族厚生年金」(厚生年金)の2種類がある
  • 遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」のみが対象(子なし配偶者は対象外)
  • 遺族厚生年金は子のいない妻・父母なども受給できる場合がある
  • 受給者の年収が850万円未満であることが要件(生計維持関係の確認)
  • 申請は年金事務所(厚生年金の場合)または市区町村(国民年金のみの場合)で行う
  • 申請から受給開始まで2〜3か月かかることが多い。できるだけ早めに手続きを
  • 時効は5年。なるべく早期に申請することが重要
  • 再婚すると受給権が消滅する
  • 65歳以降は老齢年金との調整が必要になる

複雑な家族関係や内縁関係がある場合、あるいは不支給決定を受けた場合は、社会保険労務士や弁護士に相談することを検討してみてください。遺族年金の制度を正しく理解し、適切に申請することが、ご遺族の生活の安定につながります。

ご不明な点は、お近くの年金事務所や市区町村の窓口にお気軽にご相談ください。

本記事は2024年度の制度・金額に基づいて作成しています。法律・制度は改正される場合があります。最新の情報は日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)または年金事務所でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的アドバイスではありません。具体的なご状況については専門家にご相談ください。

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