親が借金を残して亡くなった。自分も相続人になってしまう——そんな状況で「相続放棄」という言葉を初めて知る方は多いです。
期限・手続き・費用・注意点まで、誤解が多いポイントを中心に整理します。
※法律に関する手続きです。具体的な判断は司法書士・弁護士への相談をお勧めします。
相続放棄とは
相続放棄とは、故人の財産(プラスの財産もマイナスの財産も)をすべて引き継がないことを家庭裁判所に申し立てる手続きです。
放棄した相続人は「最初から相続人ではなかった」とみなされます。
財産より借金が多い場合に有効な手段ですが、プラスの財産も受け取れなくなる点に注意が必要です。
相続放棄の期限
相続放棄の申立て期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。これを過ぎると原則として相続を承認したものとみなされます。
ただし「財産の状況が複雑で3ヶ月以内に判断できない」場合は、家庭裁判所に期間の延長を申請できます。
「3ヶ月はあっという間に過ぎる」と専門家は口を揃えます。早めに動くことが重要です。
手続きの流れ
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① 必要書類の収集 | 戸籍謄本・住民票除票など | 1〜2週間程度 |
| ② 申立書の作成 | 家庭裁判所の書式に記入 | 数日〜1週間程度 |
| ③ 家庭裁判所へ申立て | 故人の住所地を管轄する家庭裁判所 | 申立て当日 |
| ④ 裁判所からの照会への回答 | 書面での質問に回答(郵送) | 1〜2週間程度 |
| ⑤ 受理通知の受け取り | 相続放棄が認められた通知書 | 申立てから2〜4週間後 |
必要書類(基本セット)
- 相続放棄申述書(家庭裁判所の書式)
- 被相続人(故人)の戸籍謄本
- 被相続人の住民票除票または戸籍の附票
- 申述人(自分)の戸籍謄本
- 収入印紙800円分・郵便切手(各裁判所の指定額)
相続人の立場(配偶者・子・親・兄弟姉妹)によって追加書類が必要なケースもあります。
費用
裁判所への申立て費用は収入印紙800円と郵便切手代のみで、数千円程度で済みます。
司法書士に依頼する場合は1〜3万円程度の報酬が発生するケースが多いとされています。
相続放棄の注意点
故人の財産(現金・家財・車など)を使用・処分・消費した場合、「相続を承認した」とみなされ、放棄できなくなる可能性があります。財産に手をつける前に専門家への相談を強くお勧めします。
次順位の相続人への影響
相続放棄をすると、次の順位の相続人(例:子が放棄した場合は故人の親・兄弟姉妹)に相続権が移ります。
自分だけが放棄しても、親族への影響が生じることを理解したうえで判断してください。
よくある質問
- Q. 3ヶ月を過ぎてしまいましたが相続放棄できますか?
-
原則として3ヶ月を過ぎると難しくなります。
ただし「財産の存在を知らなかった」などの事情がある場合、認められるケースもあります。すぐに弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。
- Q. 相続放棄後に借金の取り立て連絡が来たらどうすれば?
-
相続放棄受理通知書のコピーを債権者に送付することで、取り立てを止めることができます。
それでも連絡が続く場合は弁護士にご相談ください。
まとめ
- 相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」
- 申立て費用は数千円程度。司法書士に依頼しても1〜3万円程度が目安
- 財産に手をつける前に必ず専門家へ相談を
- 自分が放棄すると次順位の相続人に権利が移る点を必ず家族と共有しておく
デジタル相続の手続きと生前対策も合わせてご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的なアドバイスではありません。具体的な判断は司法書士・弁護士にご相談ください。

