死亡後の手続き一覧|期限・窓口・忘れがちな手続きまでチェックリスト形式で解説

家族が亡くなった直後、深い悲しみの中でも役所・病院・保険・銀行・相続など、次々と手続きが押し寄せてきます。「何から始めればいいのか」「期限を過ぎたらどうなるのか」—そうした不安を抱えている方は多いはずです。

死亡後の手続きは多岐にわたり、中には期限を過ぎると延滞税や不利益が生じるものもあります。一方で、焦りからくる手続きミスや、後から発覚した「デジタル遺産」「サブスクリプション」といった現代特有の問題を見落とすケースも増えています。

この記事では、死亡後に必要な手続きを時系列のチェックリスト形式で整理しました。当日〜3日以内・1週間以内・四十九日まで・1年以内という4つのフェーズごとに、窓口・必要書類・期限をまとめています。「どこに何を持って行けばいいのか」が一目で分かるよう設計していますので、ぜひ手元に置いてご活用ください。

目次

死亡後の手続き全体像|時系列チェックリスト

死亡後の手続きは大きく4つのフェーズに分かれます。まず全体像を把握することが、抜け漏れを防ぐための第一歩です。

フェーズ 目安期間 主な手続き
フェーズ1 当日〜3日以内 死亡診断書受取・死亡届提出・火葬許可証・葬儀手配
フェーズ2 〜1週間以内 年金停止・健康保険資格喪失・介護保険返却・銀行連絡
フェーズ3 〜四十九日(3ヶ月以内) 相続放棄検討・準確定申告・遺産分割協議・各種解約
フェーズ4 〜1年以内 相続税申告(10ヶ月以内)・相続登記・各種名義変更

すべての手続きを一度にこなそうとする必要はありません。優先度の高いものから順に対応し、期限が迫っているものを見落とさないことが重要です。

以下では、各フェーズの手続きを具体的に解説していきます。

【フェーズ1】当日〜3日以内に行うべき手続き

亡くなった直後は精神的に最もつらい時期ですが、法的・医学的に対応が必要な手続きがいくつかあります。特に死亡診断書の受け取りと死亡届の提出は、その後のすべての手続きの起点となるため、最優先で対応が必要です。

死亡診断書の受け取りと保管

病院で亡くなった場合、担当医から死亡診断書が交付されます。自宅や施設で亡くなった場合はかかりつけ医に往診を依頼し、死亡診断書を作成してもらいます。事故や突然死など医師が立ち会っていない場合は「死体検案書」が発行され、警察や法医による検案が必要になる場合もあります。

死亡診断書はその後の手続きすべてに必要な最重要書類です。原本は死亡届と同一用紙になっていますが、提出前に必ずコピーを5〜10枚程度取っておくことをおすすめします。生命保険の請求・年金停止・金融機関への連絡など、複数の窓口で提出を求められる場面があります。

費用については、死亡診断書の作成料は医療機関によって異なりますが、3,000〜10,000円程度が一般的とされています。健康保険の適用外となるため全額自己負担です。

診断書を受け取ったら、防水性のある袋や書類ケースに入れ、すぐに取り出せる場所に保管しておきましょう。紛失した場合は再発行できますが、時間と手間がかかります。

死亡届の提出(7日以内が法定期限)

死亡診断書を受け取ったら、7日以内に死亡届を市区町村役場に提出しなければなりません(戸籍法第86条)。提出先は「死亡した場所の市区町村」「故人の本籍地の市区町村」「届出人の住所地の市区町村」のいずれかです。

死亡届と死亡診断書は同一の書式で、A3用紙の右半分が死亡診断書(医師が記入)、左半分が死亡届(遺族が記入)という構成になっています。届出義務者は同居の親族・その他の同居者・家主・地主など、法律で定められた範囲内の方です。実際には多くの葬儀社が遺族に代わって代行してくれます。

死亡届を提出すると同時に火葬許可証が発行されます。火葬許可証は火葬場に提出する書類で、これがなければ火葬ができません。火葬後は「埋葬許可証」として返却され、納骨時に必要になります。

手続き 期限 窓口 必要書類
死亡届の提出 7日以内 市区町村役場 死亡診断書(同一用紙)・届出人の印鑑
火葬許可証の取得 死亡届提出と同時 市区町村役場 死亡届提出で自動的に発行

死亡届の提出が7日以内の法定期限を超えると、5万円以下の過料が科せられる場合があります。葬儀社に代行を依頼する際は、提出日を必ず確認するようにしましょう。

葬儀の手配

葬儀の手配は、死亡が確認されてから24〜48時間以内に着手するケースが多いとされています。遺体の安置場所を確保する必要があるため、葬儀社への連絡は早めに行うことが一般的です。

葬儀の形式には、一般葬・家族葬・火葬式(直葬)・一日葬などがあります。規模や形式によって費用も大きく異なり、家族葬で50〜150万円程度、一般葬で100〜300万円程度が相場とされています。ただし地域や葬儀社によって差があるため、複数の葬儀社に見積もりを取ることも一つの方法です。

葬儀社を選ぶ際は、料金の内訳が明確に示されているか、追加費用が発生しないかを事前に確認することが大切です。全国規模の互助会や地域密着型の葬儀社など、特徴も様々ですので、事前に情報を調べておくと急な際にも落ち着いて対応できます。

【フェーズ2】1週間以内に行うべき手続き

葬儀が一段落したら、次は役所や公的機関への届け出を進めます。年金・健康保険・介護保険など、期限が定められているものが多く、手続きが遅れると後日手間が増える可能性があります。

年金受給停止の手続き(国民年金:14日以内、厚生年金:10日以内)

故人が年金を受給していた場合、死亡後すみやかに年金受給停止の届け出を行う必要があります。提出期限は、国民年金が死亡から14日以内、厚生年金が10日以内と定められています(日本年金機構)。

手続き窓口は最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターです。必要書類は、年金証書・死亡診断書のコピー・届出人のマイナンバーカードまたは個人番号通知書・戸籍謄本などです。マイナンバーが年金機構に登録されている場合は、死亡届の提出と連動して自動的に処理されるケースもあります。

停止手続きをしないまま年金が振り込まれ続けると、後日日本年金機構から返還請求が届きます。振り込まれた年金を使ってしまった場合は返還が困難になるため、速やかに手続きを行いましょう。

同時に確認したいのが未支給年金の請求です。死亡した月分までの年金は、生計を同じくしていた遺族が受け取れる権利があります(未支給年金)。年金受給停止の手続きと合わせて窓口で確認されることをおすすめします。

手続き 期限 窓口 必要書類
国民年金受給停止 14日以内 市区町村役場または年金事務所 年金証書・死亡診断書・マイナンバー
厚生年金受給停止 10日以内 年金事務所 年金証書・死亡診断書・戸籍謄本
未支給年金の請求 5年以内 年金事務所 戸籍謄本・受け取り口座の通帳

健康保険・介護保険の資格喪失手続き

故人が国民健康保険に加入していた場合は、死亡から14日以内に市区町村役場で資格喪失届を提出します。会社の健康保険(社会保険)に加入していた場合は、勤務していた会社または健康保険組合に届け出ます。後期高齢者医療制度の場合も同様に、市区町村役場での手続きが必要です。

葬祭費(国民健康保険)または埋葬料(健康保険)の給付申請が可能な場合があります。国民健康保険の葬祭費は市区町村によって異なりますが、1〜7万円程度が一般的です。社会保険の埋葬料は5万円が法定額で、被扶養者が亡くなった場合は家族埋葬料として支給されます。忘れずに窓口で確認してください。

また、故人が介護保険を利用していた場合は、介護保険被保険者証を14日以内に市区町村役場へ返却します。65歳以上の方が持っている介護保険証は、資格喪失届と合わせて返却するのが一般的な流れです。

住民票の抹消(住民基本台帳の削除)は、死亡届の提出によって自動的に処理されます。別途手続きは基本的に不要ですが、故人宛てに届く郵便物の転送設定を行う方も多いようです。

金融機関への連絡と口座凍結への対応

金融機関(銀行・信用金庫・証券会社など)は、名義人の死亡を把握した時点で口座を凍結します。凍結されると預金の引き出し・振り込み・口座引き落としがすべて停止されます。

光熱費や住宅ローンなど、故人名義の口座から引き落としが設定されている場合は早急に対応が必要です。口座凍結前に葬儀費用など当面の資金を確保することを検討する方もいますが、相続トラブルに発展する可能性もあるため、相続人全員で話し合いながら進めることが大切です。

口座凍結の解除には遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書・戸籍謄本などが必要です。2019年7月以降は家庭裁判所を通じた仮払い制度も利用可能で、葬儀費用などの緊急資金を引き出せる場合があります。

【フェーズ3】四十九日まで(3ヶ月以内)に行うべき手続き

葬儀を終え、少し落ち着いてきたころに着手するべき手続き群です。この時期で最も重要なのが相続放棄の判断期限です。3ヶ月という期間はあっという間に過ぎるため、早めに動き始めることをおすすめします。

相続放棄の検討(3ヶ月以内)

相続放棄とは、被相続人(故人)の財産も負債も一切引き継がないという法律上の選択です(民法第915条)。故人に借金・保証債務・税金の滞納などがある場合、相続放棄を選択することで相続人が負債を負わずに済む可能性があります。

相続放棄の申述期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。この期間を「熟慮期間」といいます。何もしない場合は単純承認(すべての財産と負債を相続する)したとみなされます。

相続放棄の手続きは家庭裁判所への申述で行います。必要書類は申述書・被相続人の戸籍謄本・相続人の戸籍謄本などで、申述費用は収入印紙800円程度です。専門家(弁護士・司法書士)に依頼する場合は別途費用がかかります。

相続放棄は一度申述して認められると、原則として撤回できません。故人の財産状況(不動産・預金・借金・保証債務)を3ヶ月以内に調査・確認し、慎重に判断することが大切です。

財産状況の調査が3ヶ月以内に終わらない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の延長」を申請できます。期間が足りないと感じたら、早めに弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

準確定申告(4ヶ月以内)

故人が生前に確定申告をしていた場合、または給与所得が2,000万円超だった場合などは、相続人が代わりに確定申告を行う義務があります。これを準確定申告といいます。

提出期限は相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です(所得税法第125条)。通常の確定申告とは異なり、申告書に「準確定申告」と記載し、相続人全員が連署して提出します。

準確定申告が必要なケースは次のとおりです。故人が個人事業主・フリーランスとして事業収入があった場合、複数の給与収入や年金収入があった場合、医療費控除や住宅ローン控除を受けていた場合などが代表的です。

準確定申告で還付金が発生する場合があり、相続財産の一部として取り扱われます。逆に追加納税が生じる場合もあるため、税理士に相談しながら進めることが安心です。

遺産分割協議の開始

遺産分割協議とは、相続人全員が集まって故人の財産(遺産)をどのように分けるかを話し合うことです。遺言書がある場合はその内容に従いますが、遺言書がない場合は相続人全員の合意が必要です。

遺産分割協議には法定の期限はありませんが、相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに協議を終えておく必要があります。協議が長引いた場合は、相続税の申告を「法定相続分による仮申告」で行うこともできますが、その後の手続きが複雑になります。

まず行うべきことは、相続財産の調査です。不動産の固定資産税評価証明書・金融機関の残高証明書・生命保険の保険証書・借金や保証債務の有無など、プラスとマイナスの両方を把握します。相続関係を明確にするために、故人の出生から死亡までの戸籍謄本(連続した謄本)の取得も必要です。

協議がまとまったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印(実印)します。この書類は相続登記・銀行手続き・相続税申告など、あらゆる手続きで必要になります。

各種契約・サービスの解約・名義変更

故人が契約していたサービス・保険・クレジットカードなどの解約も、この時期に順次進めます。放置すると不要な費用が発生し続けるため、早めの対応が望ましいです。

解約・変更が必要なもの 窓口 主な必要書類
クレジットカード 各カード会社 死亡診断書・戸籍謄本
生命保険・医療保険 各保険会社 死亡診断書・保険証書・受取人の口座情報
携帯電話・スマートフォン 各通信キャリア 死亡診断書・本人確認書類
電気・ガス・水道 各事業者 電話またはWeb手続きが可能な場合も
NHK受信料 NHKふれあいセンター 死亡を証明できる書類
新聞・定期購読 各販売店・出版社 電話連絡で可能な場合が多い

生命保険の死亡保険金の請求は、保険会社によって異なりますが一般的に3年間の時効があります(商法第724条)。早めに保険証書を確認し、請求手続きを進めましょう。

【フェーズ4】1年以内に行うべき手続き

相続に関する最重要の手続きが集中するフェーズです。特に相続税申告の10ヶ月以内という期限は厳守が必要で、遅れると延滞税・無申告加算税が課せられる可能性があります。

相続税申告・納付(10ヶ月以内)

相続税の申告と納付は、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内が期限です(相続税法第27条)。この期限は延長ができないため、早めの準備が欠かせません。

相続税がかかるのは、課税遺産総額が基礎控除額を超える場合です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば相続人が3人なら、3,000万円+1,800万円=4,800万円が基礎控除です。これを超える遺産がある場合は申告が必要です。

相続税の税率は10〜55%の累進課税です(国税庁「相続税の税率」参照)。遺産の評価・申告書の作成は複雑なため、相続財産が基礎控除を超える見込みがある場合は早めに税理士に相談することが一般的です。

配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)など、適切に活用できる制度もあります。専門家に依頼することで、節税の可能性が高まる場合があります。

申告期限内に申告が難しい場合でも、期限後に速やかに申告することで無申告加算税を軽減できる場合があります。期限が迫ってきたら、まず税理士に連絡することをおすすめします。

手続き 期限 窓口 必要書類
相続税申告・納付 10ヶ月以内 被相続人の住所地の税務署 相続税申告書・遺産分割協議書・戸籍謄本・各財産の評価書類
相続登記(不動産) 3年以内(2024年4月〜義務化) 法務局(登記所) 登記申請書・遺産分割協議書・戸籍謄本・固定資産評価証明書

相続登記(不動産の名義変更)

故人が不動産を所有していた場合は、相続人への名義変更(相続登記)が必要です。2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません(不動産登記法第76条の2)。

義務化に伴い、正当な理由なく申請を怠った場合は10万円以下の過料の対象になる可能性があります。以前は相続登記をせずに放置するケースが多く、「所有者不明土地」の問題を引き起こしていました。この改正を受け、速やかに手続きを進めることが求められています。

相続登記の手続きは法務局(登記所)で行います。登録免許税として不動産の固定資産税評価額の0.4%が必要です。手続きが複雑なため、司法書士に依頼することが一般的で、費用は5〜15万円程度が多いとされています。

遺産分割協議が未了でも「相続人申告登記」を利用すれば、3年以内の義務を一時的に回避できます。ただし、最終的な所有権移転登記は別途必要です。

その他の名義変更

不動産以外にも、名義変更や解約が必要なものが多くあります。株式・投資信託などの有価証券は、証券会社を通じて相続手続きを行います。自動車は陸運局(運輸支局)での名義変更が必要です。ゴルフ場や各種会員権も承継の手続きが必要なものがあります。

忘れがちな手続き|デジタル遺産・SNS・サブスク

現代では、従来の手続きに加えて「デジタル遺産」への対応が新たな課題となっています。スマートフォンやパソコンに紐づいた様々なサービスを放置すると、不要な費用が発生し続けたり、個人情報が流出するリスクがあります。

サブスクリプションサービスの解約

故人が契約していたサブスクリプションサービス(月額・年額課金)は、解約しなければ料金が発生し続けます。クレジットカードが生きている限り引き落とされ続けるため、早めの解約が必要です。

よく見落とされるサブスクリプションサービスの例を挙げます。動画・音楽ストリーミング(Netflix・Amazon Prime・Spotify・Apple Music)、電子書籍・雑誌サービス(Kindle Unlimited・dマガジン)、クラウドストレージ(iCloud・Google One・Dropbox)、ゲームアプリの課金サービスなどがあります。

故人のスマートフォンやパソコンにアクセスできる場合は、メールの受信箱や銀行の引き落とし明細を確認するのが効果的です。毎月または毎年の引き落とし明細を遡ると、継続中のサービスを特定しやすくなります。

スマートフォンが暗証番号でロックされている場合、メーカーや通信会社を通じたデータアクセス手続きが必要になります。iPhoneはAppleのデジタル遺産プログラム、Androidは各メーカーの対応窓口に相談することが考えられます。

SNSアカウントの対処

故人のSNSアカウントは、放置するとスパムや不正アクセスの標的になる可能性があります。主要なSNSでは、アカウントの削除または追悼アカウントへの変更が可能です。

Facebookは「追悼アカウント」に設定することができ、故人を悼むページとして残すことも、完全に削除することも選べます。Instagramも同様の対応が可能です。Twitterは管理者や近親者が死亡報告を行うことでアカウントを削除できます。

各SNSの対応申請には本人確認書類・死亡診断書のコピーなどが必要なことが多いため、英語のフォームが必要な場合もあります。

デジタルデータ・ポイントの確認

故人が保有していた電子マネーやポイントも確認が必要です。航空会社のマイレージ・楽天ポイント・Tポイント・nanacoなどは、相続手続きの対象となる場合があります。各社のルールによって承継の可否が異なるため、問い合わせることをおすすめします。

また、故人が仮想通貨(暗号資産)を保有していた場合は相続財産として申告が必要です。ウォレットのパスワード(シードフレーズ)が不明だと永久にアクセスできなくなるため、生前からのデジタル遺産管理が重要といえます。

窓口一覧|どこに何の手続きに行くか

手続きの種類によって窓口が異なります。一覧で確認しておくことで、無駄な往復を避けられます。

窓口 主な手続き 持参するもの(共通)
市区町村役場(戸籍・住民課) 死亡届・火葬許可証・国民健康保険喪失・介護保険証返却・住民票関連 印鑑・死亡診断書・故人の保険証類
年金事務所 年金受給停止・未支給年金請求・遺族年金申請 年金証書・戸籍謄本・マイナンバー・通帳
税務署 準確定申告・相続税申告 申告書類・戸籍謄本・財産評価書類
法務局(登記所) 相続登記(不動産名義変更) 登記申請書・遺産分割協議書・戸籍謄本・固定資産評価証明書
家庭裁判所 相続放棄申述・遺産分割調停・遺言書検認 申述書・戸籍謄本・印紙代
各金融機関(銀行・証券) 口座凍結解除・相続手続き・残高証明書発行 遺産分割協議書・戸籍謄本・印鑑証明書
生命保険会社 死亡保険金請求 死亡診断書・保険証書・受取人の口座情報
陸運局(運輸支局) 自動車の名義変更 車検証・遺産分割協議書・印鑑証明書

市区町村役場は多くの手続きを一括で対応できるため、まず最初に訪れるべき窓口といえます。マイナンバーカードを持参すると手続きがスムーズに進むことが多いです。

専門家に相談すべきケース

死亡後の手続きは、状況によっては専門家のサポートが必要になります。一人で抱え込まず、早めに相談することが結果的に時間と費用の節約につながる場合があります。

どの専門家に頼むべきか

専門家 主な対応業務 費用目安
弁護士 相続人間のトラブル解決・遺産分割調停・交渉・遺留分請求 着手金10〜30万円程度+成功報酬
税理士 相続税申告・準確定申告・相続税対策・税務調査対応 遺産総額の0.5〜1%程度(最低20〜30万円)
司法書士 相続登記・遺産整理・法定相続情報一覧図の作成 5〜20万円程度
行政書士 相続関係書類の収集・遺産分割協議書の作成(争いのない場合) 5〜15万円程度

相続人間で争いがある・相続放棄をすべきか判断に迷う・相続税がかかりそうなど、複雑な事情がある場合は早めに専門家へ相談されることをおすすめします。初回相談無料の事務所も多くありますので、まず相談してみることが一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 死亡届の提出は、誰でも行えますか?

死亡届を提出できる届出義務者は、戸籍法によって定められており、同居の親族・その他の同居者・家主・地主・家屋管理人などが含まれます。実際には葬儀社が代行することが非常に多く、特別な委任状なしに代行できる場合がほとんどです。遠方に住んでいたり、高齢で役所に行けない場合は葬儀社に相談してみてください。

Q2. 相続放棄をしても未支給年金は受け取れますか?

未支給年金は相続財産ではなく、一定の遺族が固有の権利として受け取れるものとされています(国民年金法第19条・厚生年金保険法第37条)。そのため、相続放棄をしても未支給年金を請求できる場合があります。ただし受け取れる遺族の範囲や順位が決まっているため、詳細は年金事務所に直接確認されることをおすすめします。

Q3. 相続税の申告期限に間に合わない場合はどうなりますか?

申告期限(10ヶ月以内)を過ぎると、延滞税(年7.3〜14.6%程度)や無申告加算税(15〜20%程度)が課せられる可能性があります。やむを得ない事情がある場合でも期限延長の申請は基本的に認められないため、間に合わないと感じたら早めに税理士に相談し、概算申告を行うことが選択肢の一つです。期限後でも速やかに申告することで加算税が軽減される場合があります。

Q4. 故人がデジタル遺産(仮想通貨・オンライン口座)を持っていた場合はどうすれば良いですか?

仮想通貨(暗号資産)は相続財産として扱われ、相続税の申告対象となります。取引所のアカウントが特定できれば、取引所に対して相続手続きを申請することで資産を引き継ぐことが可能です。ただしウォレットの秘密鍵やシードフレーズが不明な場合は事実上アクセス不能になるため、生前に情報を整理しておくことが大切です。オンライン銀行口座も同様に、ログイン情報が分かる範囲で取引明細を確認し、各金融機関の相続窓口に連絡してください。

Q5. 遺言書が見つかった場合、どうすれば良いですか?

自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所で検認(内容を確認し保存する手続き)を受けることが必要です(民法第1004条)。検認を受けずに開封・執行した場合は5万円以下の過料の対象になる可能性があります。公正証書遺言の場合は検認不要で、そのまま手続きを進められます。法務局の「遺言書保管制度」で保管されている場合も検認は不要です。見つかったらすぐに開封せず、まず専門家(弁護士・司法書士)に相談することをおすすめします。

まとめ|死亡後の手続きを抜け漏れなく進めるために

家族が亡くなった後の手続きは、種類が多く期限もそれぞれ異なります。大切なポイントを以下にまとめます。

  • 最優先は死亡届(7日以内):火葬許可証の取得にも必要。葬儀社に代行依頼することが可能
  • 年金停止は速やかに:国民年金14日以内・厚生年金10日以内。手続き遅延で年金返還請求のリスクあり
  • 相続放棄の期限は3ヶ月:借金があるかもしれない場合は、早急に財産状況を調査し判断する
  • 準確定申告は4ヶ月以内:個人事業主・複数収入があった場合は忘れずに対応
  • 相続税申告は10ヶ月以内:期限延長は基本不可のため、早めに税理士に相談
  • 相続登記は3年以内(義務化):2024年4月から義務化。怠ると過料の対象になる可能性あり
  • デジタル遺産を見落とさない:サブスク・SNS・仮想通貨・ポイントも手続きが必要

手続きが多くて途方に暮れると感じる方も多いですが、期限の長いものから順に対応することと、専門家に頼れる部分は依頼することで、負担を分散させることができます。一人で抱え込まず、市区町村役場の窓口や専門家に相談しながら進めていただければと思います。

相続・手続きに関してご不明な点がある場合は、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。初回相談を無料で受け付けている事務所も多くありますので、まず話を聞いてみることから始めてみてください。


【免責事項】本記事は2025年3月時点の法令・制度に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的アドバイスを提供するものではありません。具体的な手続きや判断については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。法改正等により内容が変更になる場合があります。

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この記事を書いた人

終活葬儀ナビ編集部。身近な家族の葬儀・相続・遺品整理を実際に経験した編集メンバーが中心となり、終活に直面する方の「わからない」「不安」に寄り添う情報発信を行っています。厚生労働省・国税庁・地方自治体など公的機関の一次情報を徹底的に参照しつつ、実務目線での注意点を織り交ぜた記事制作を心がけています。取り扱い領域は、葬儀(家族葬・一日葬・直葬)、お墓・供養(納骨堂・樹木葬・永代供養)、相続(相続税・遺言書・遺産分割)、遺品整理、ペット供養など終活全般。個別具体的な法律・税務相談については、必ず弁護士・税理士など有資格の専門家にご相談ください。

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